一人で中小企業の経理担当をしている者です。
この度はじめて監査法人から残高確認依頼書が届きました。
何通か届いて対応しきれないのですが、送らないとまずいでしょうか?罰金や罰則はありますか?教えてください。
監査法人から届く為、驚いてしまいがちです。
とはいえ、何枚も送られてくると面倒ですし…可能なら送りたくないものです。
実体験ベースでお答えします。
Contents
残高確認依頼書とは?何故監査法人から届く?
監査法人からの抜き打ちテストみたいなものです。
とはいえ、テストされているのは相手先企業です。
取引先企業の得意先の中から抜き打ちで売掛金残高確認を行い、得意先が認識している金額と一緒か確認するのがこの残高確認依頼書なのです。
ここで大きなズレが生じると不正会計の可能性や貸倒のリスクがある為、あえて抜き打ちで監査法人から依頼が入るのです。監査法人に直接●月●日までに社印捺印の上、郵送するよう明記されています。
提出期限を過ぎてしまったら?監査法人から罰則がある?
罰則は特にありません。
大前提として、残高確認依頼書の提出は任意です。
提出しなくてはならないという決まりはありません。
提出期限を過ぎてしまったからと言って罰則はありませんし、提出しなかったからといって不利益を被ることはありませんのでご安心ください。
では、残高確認依頼書は提出しなくても良いの?
取引先との信頼関係を考えると、やはり提出すべきです。
任意とはいえ、取引先からすれば残高確認依頼書をスルーされたとなれば今後の取引条件を見直される可能性もあります。
大切な取引先であれば、あくまで協力してあげるというスタンスで、期日内に提出することをオススメします。
実際、提出しなかったらどうなるの?
半分はスルー。半分は提出のお願い電話が来ます。
実際にスルーしたことは何度かありますが、特に何もなく終わっています。
監査法人から取引先に連絡が行っているかまでは不明です。
スルーしたうちの半分くらいは監査法人から電話がかかってきます。
怒られる感じではなく、いずれも丁寧に協力してもらえるようお願いされます。
残高不一致の場合はどうする?
そのまま不一致で回答しましょう。
会社によって締日や会計基準は違うので、むしろピッタリ一致するほうが珍しいくらいです。大抵の場合は一致しません。
不一致状態で残高確認依頼書を送って問合せが来たことは一度もありません。
たとえ大幅なズレがあったとしても、過去の決算数値を変えるわけにはいきませんし、取引先と口を合わせて不正申告するわけにもいきません。そのままの数値で報告しましょう。
また、差異原因についてはすぐにわかれば記入しても良いですが、特に捜索する必要はありません。
こちらについても監査法人から問合せがきたことはありません。
(ライター:Takahashi Shuta)