経営企画コラム

経営企画部の重大任務!経営会議議事録書き方ポイントまとめ

経営企画部の重大任務、経営会議議事録書き方ポイントまとめ

会社のトップによる意思決定機関である経営会議。会社によって役割は異なるものの、経営企画部員が議事録作成を行うことは多いです。
議事録作成と言うと、そこまで難しいものに思えないかもしれませんが大きな間違いです。チーム会議等の議事録とはレベルの違う物と考えるべきです。
それだけに、担当する経営企画部員は議事録作成に頭を抱えます。
当記事では経営企画出身ライターがまとめます。経営企画部員が経営会議議事録を作成するにあたり抑えておきたい書き方のポイントをまとめます。

何故経営会議議事録は大変?

議事録に書かれた内容が全社の決定事項になるからです。

株主総会議事録、取締役会議事録に次いで重要な意味合いを持つ経営会議議事録。一度書かれたことは会社トップの意思決定として全国にいる全社員やパート、さらには取引先や関連会社が動くことになります。

誤字脱字が許されないことは勿論、少しでもニュアンスを間違えた文章を発信すれば会社経営を揺るがすこととなります。
それくらいに重い役割だからこそ、会社経営の重要な役割を担う経営企画部が担当することが多いのです。大手企業では外部の経営コンサルタントが経営会議議事録作成を担うこともあります。つまり外注費をかけてまでプロフェッショナルに依頼するレベルの重大任務だと考えてください。

経営会議前に議事録作成準備は必要?

前回の経営会議議事録、今回の経営会議議案を読んでおくと役立ちます。

経営会議には流れがあります。前回の議事録も理解しておくとスムーズです。社長や役員から経営企画に前回の決定事項について聞かれることもあるので抑えておきましょう。
また、議案も理解しておくと議事録で何を抑えて書けば良いのかイメージがつきます。

経営会議当日朝のニュースは要チェック!

どの会社でも経営会議ではニュースの話題が出るはずです。世間の情勢に合わせて経営判断をしていくのは常識です。
経営企画部員が「ニュースを見ていません」は許されません。経営会議前に限ったことではありませんが、経営会議当日はニュースチェックは必須です。
ニュースの内容は周知の事実として話が進められるので、知らないと議事録作成にも影響が出ます。

経営会議議事録作成に必要なスキルは?

読解力と文章力です。

まずは、経営会議での出席者の発言の意図についてポイントを抑えて要約する読解力が必要です。
さらに難しいのは、文章に起こして伝える力です。経営会議議事録はその場に居合わせた参加者以外が読むこともあります。また、数年後に見返されることもあります。「誰がいつ読んでも」わかりやすい文章を書くのはカンタンなことではありません。

いざ経営会議!会議中に意識すべきことは?

要点を箇条書きでメモしておくことです。

会社によってはレコーダーで音声を残すことも有り得ます。しかし、経営会議での発言は社内であっても持ち出せない機密事項も多いことから、録音させてくれないことも多いはずです。とにかくメモを残しましょう。
会議中に議事録を完成させようとすると失敗します。議案と照らし合わせながら、箇条書きでメモしましょう。

・誰が発言したのかを明記
・具体的な数値がある場合は抑える
・会議中に決定したことは★マークなど付けておく
・必要なさそうなこともとにかくメモする

特に重要なポイントは、とにかくメモを多く残しておくことです。コレが経営会議議事録作成のタネとなります。
また、最終ゴールは経営会議議事録作成ですが、議事録に載せる内容だけを抑えておくのはNGです。それは「裏の議事録」も作成する必要があるからです。

経営会議「裏の議事録」とは?

社長、役員、上司から質問されたときに回答する目的で作成する、決して表には出さない自分用の議事録です。
決定事項にはならなかったものの、議論になった内容や見送りになった内容なども細かく聞かれることがあります。

プレゼンで配布資料と別に裏のメモがあるのと同じように、経営会議議事録も裏の議事録があるべきなのです。

経営会議が終わったらホットなうちに整理する

箇条書きメモのうち、必要なものと不要なものを切り分けて削っていきましょう。

雑多なメモを削っていくうちに、本当に必要なものだけが見えてきて経営会議議事録の型が出来上がっていきます。
経営会議当日はここまで出来ればオッケーです。

経営会議議事録の書き方ポイント

会社によってスタイルは異なるものの、書き方のポイントは似ています。

・決定事項は印を付ける
・決定事項以外は不用意に載せない
・決定・保留・検討事項を切り分ける
・文章は短く簡潔に
・適切な「てにをは」を
・曖昧な表現は避け、数字を盛り込む
・「いつ・誰が(部署)・何の目的で・何をするのか」を明確に
・固有名詞はバラつきNG。正式名称や議案内での呼称に統一
・第三者が見てもわかるように

これだけのポイントを抑えて経営会議議事録を書くことは大変なことです。
会社(社長方針)によってどんな議事録が好まれるかも変わってきます。この辺りは「習うより慣れよ」。繰り返し実務経験を積むうちにわかってくるでしょう。

社長の意向に沿って議事録作成をする

最優先すべきは社長(会長がいる場合にはその限りでない)の意向です。
他の役員が何を言おうが、社長の意向には逆らえないからです。

経営会議で社長が「何を伝えたかったのか」を汲み取り議事録作成しましょう。

現場スタッフとの乖離がないか確認

経営会議は現場をよく知らない重役だけで構成されます。大企業になればなる程、その傾向は強まります。

経営会議の内容が果たして現場の実態とマッチしているのか?無理な指示になっていないのか?そんなことも考えるのが経営企画部員の役割です。
現場と上層部にミスマッチがあるのなら、情報の架け橋になるのも経営企画部員です。
経営会議で話した戦略を実行するのは全国にいる課長以下の現場スタッフです。一度経営会議議事録に書いてしまえば、全社の指示事項となります。
あまりに無理難題であればニュアンスを変えて発信するよう社長や役員をコントロールしなければ、会社の利益ダウンになります。

社長や役員、現場スタッフの両面をしっかり考えて経営会議議事録を作成しましょう。

必要に応じて経営会議参加者へヒアリング

聞き逃しなどはあってはならないことですが、イマイチ理解しきれなかった内容も多々あるはずです。
経営会議で話される内容は難しい内容が多く、一般社員には聞き慣れない単語も飛び交います。調べてわかることを聞くのはNGですが、わからないことは素直に聞きにいく必要があります。議事録で書こうとしている内容と齟齬が生じていないか事前にヒアリングしておきましょう。

翌日朝に経営会議議事録案を音読する

前日に必死で作った経営会議議事録案をひとりで音読してみましょう。

一晩置いたことで真っ白な状態で読むことができます。
つまり、第三者視点で読むことができます。ここで自分自身で読んでも理解しにくいポイントは書き直しです。

昨晩必死で考えた議事録が翌朝読み返すと全く意味がわからない…こんなことは経験上よくある話です。

経験上、思っている以上にバッサリと文章を削っていったほうがキレイでわかりやすい資料になります。
再作成→読み直しを繰り返し、内容をブラッシュアップして完成させます。

誤字脱字・日本語の誤りがないか最終チェック

誤字脱字があるだけで経営企画部員としての信頼は失墜します。それくらいのレベル感で考えましょう。

また、当たり前に使っている日本語の意味が本当に合っているのかもネット検索で再確認します。意外にも正しくない日本語を使い続けてたなんてこともあります。
経営会議議事録作成は日本語力がアップします。このスキルは他の文書を書くときにも役立ちます。

経営企画部上司に確認してもらう

経営会議議事録は重要資料なので、上司に確認必須です。
ひとりで責任を抱えない為にも確認してもらうべきです。

経営会議議事録は作成者→上長→部長→社長の順に捺印をもらうことが普通なのできちんとした承認フローが整っている会社であれば問題ありません。

【さいごに】経営会議議事録作成はメリットが多い

気が狂いそうになるくらい頭を抱えることもあるくらい大変な仕事ですが、やりがいもあります。
経営会議議事録作成がしっかりと出来るようになることはメリットが沢山あります。

・社長はじめ重役からの評価が上がる
・昇進に繋がる
・会社経営の動きがわかる
・全部門の知識が身に付く
・文章力が向上する
・資料作成力が向上する
・経営用語が理解できる
・調整力が身に付く
・転職時に職務経歴書に書ける

沢山のスキルアップができるやりがいのある仕事であると私は思います。
経営会議に陪席するだけでも貴重な経験。その経営会議の内容をしっかり理解し、伝える為の議事録作成し、発信することは間違いなくハイレベルな仕事と言えます。
(ライター:Nakanishi Hajime)