支店営業部から本社の経営企画に異動内示が出ました。
この異動は栄転と捉えてよろしいでしょうか？
本社勤務、しかも経営企画部とあって周囲からは「栄転おめでとう！出世間違いなし」と言われています。
嬉しい反面、仕事についていけるのか不安も大きいです。
実際のところ、経営企画異動は栄転と素直に喜んで良いのでしょうか。
（40代 会社員男性）
当サイトライターの中西です。
昔の私に本当によく似ている。同じく、営業から本社経営企画に異動となり、衝撃を受けたことをよく覚えている。
そして、私自身を含め多くの人の「経営企画異動のその後」を見てきた。
本社経営企画に異動は本当に喜ぶべき栄転なのか。出世コースに乗ったのか。
経験則で書き綴る。
■本社経営企画へ異動は栄転？
99％栄転だ。自信を持って喜ぶべきだ。
どんな会社でも経営企画は会社の中枢。
ポテンシャルやこれまでの営業実績が認められたのだろう。
能力のない社員を経営企画に異動させる会社などない。全社の経営の舵取り役に相応しい人間を経営企画に置く。
社内のエース級が集まるのが経営企画だ。優秀な人材を異動で集めるだけでなく、中途採用でスカウト入社するような人も多く集まる。
私自身も周りの経営企画に異動してきた社員を見れば皆優秀で、ある程度の共通項があるように思う。経営企画に異動する人はこんな人が多い。
・いわゆる「意識高い系」
・上昇志向がある
・数字に強く、ロジカルな発言ができる
・Excelに強い（これはある程度）
■経営企画は社内の出世コース？
間違いなく出世ラインに乗ったと見て良い。
実際、経営企画で実務経験を積んだのちにそのまま経営企画管理職になったり、元の営業や別部門の管理職に出世するケースは非常に多い。
経営企画は社内のヒト・モノ・カネ・情報等のマネジメントに携わる部署だ。
ここで経験を積めば管理職に必要なマネジメントスキルは必ず醸成される。
■経営企画に異動したら必ず出世できる？
答えはNOだ。出世どころか降格する人もいるくらいだ。
経営企画というハードで難易度の高い仕事についていけず、期待に添えなかった場合はアウトだ。出世ラインからは外される。
前述のとおり、経営企画は社内のエース級が集まる部署の為、仕事のレベルは非常に高くスピード感も高い。オマケにミスも許されないというかなりハードな環境に身を置くことになる。
期待されて経営企画に異動したとはいえ、一定数は仕事についていけない人間もいるのが事実だ。
経理、財務、マネジメント等の経験やスキルがあれば別だが、普通の営業マンが経営企画に異動しても訳がわからずついていけない。
「会社経営を支えるぞ！」と意気込んで仕事をしても、会議で用語すらわからず無言を貫いて凹むのがオチ。
最初はそんなものだと腹を括り、恥をしのんでわからないことを聞きまくって成長できるかがカギ。
社長や役員から怒られても、ひたすら雑用のような業務でも泥臭くこなしていける人は成長する。数年後には会社経営を支えるキーマンになっているだろう。
■出世コースの経営企画で出世するには？
変に目立とうと努力しないことだ。
営業マンであれば、目立った成績や受賞などがあれば出世しやすい。目立つ存在になるだけの戦略やアイデアが不可欠だ。
一方、経営企画はそんなことをしなくても十分目立つ存在である。社長や役員も経営企画の顔と名前は覚えていることが多い。全社に発信することも多いので、無理しなくても有名で目立つ存在にはなれる。
先述のとおり、地道に実力をつけることが大切だ。
信頼を勝ち得れば、情報が集約されるようになる。そして、経営に対する価値あるアイデアは自ずと生まれるようになる。そのレベルまで成長したときに初めて積極的に意見をしていくと良い。実務経験がアイデアを生み出すのだ。
■【まとめ】本社経営企画は栄転だがリスクもある。
とりあえず本社経営企画異動は出世コースに乗った。
あとはハイレベルかつプレッシャーの高い仕事を乗り切れば良い。
目立とうとする必要はない。地道に信頼を築き上げること。
失敗すればリスクはある。
経営企画で失敗して精神を病んだもの、退職に追い込まれたものも見てきた。
異動は素直に喜びつつ、この異動が新たなスタートだと思って頑張って欲しい。
経営企画の仕事は慣れると非常に面白く、やり甲斐がある。そして出世や給料アップなどの待遇も自然とついてくるはずだ。
（ライター:Nakanishi Hajime）
