経営企画という仕事には終わりがない。
会社の計画策定、重要数値の分析などは単純作業ではない為、時間に区切りをつけるのが難しい仕事だ。
経営企画は予算策定期、決算前後等の繁忙期は特に残業時間過多状態になり、精神的・肉体的にも大きなストレスを抱える職種である。
特に会社の予算達成状況が厳しい期の経営企画は尚更だ。
会社によっては、社長が細かいところまで気にしすぎてしまうせいで経営企画が相当悩まされることがある。
当記事を書く私自身、経営企画職歴8年だが社長が変わることで経営企画の残業時間は大きく変わる。
このように経営企画の残業時間は「会社の採算状況」「社長の性格」など外部状況によって変化する。
もちろん、「効率良く仕事をする」ことで残業削減するのは大切だが限度がある。非常に難しいのだ。
当記事では経営企画職の私が残業80時間超をしてわかった本当の残業削減案について書き綴る。
全社の残業削減プロジェクトを立ち上げる
人事部や総務部と共同でプロジェクトを立ち上げ、残業削減推進すること。
経営企画としては全社で残業削減することでコスト削減(利益創出)観点でプロジェクト推進する立場にある。
全社で残業削減を謳う以上、自らが早く帰らなければ示しがつかない。
外出は多くなく社内にいることが多い経営企画部員は、残業していれば他部署から目立ってしまう。
当然、他部署の人間からすれば「残業削減プロジェクトの経営企画があんなに残業しているなら、うちの部署も無理して残業削減しなくても良いのでは?」と思わせてしまいコスト削減ができない。
経営企画の仕事は無限にある。
大切なのは、「強制的に帰る」習慣をつけることだ。
残業削減プロジェクトで強制的に帰ることで、残業しない前提での仕事量しか振ってこないようになる。
社長とのコミュニケーションを深める
経営企画の仕事の多くは社長の方針から下りて来ることが多い。
日頃から社長と多くコミュニケーションを取ることを心がけ、「経営企画は残業が多くて大変」ということをインプットさせることが重要だ。
仕事状況を理解してもらうことにより、社長から無理な短納期での仕事依頼が下りてきにくくなる。
社長が無理な仕事を要求しなくなれば、その下にいる役員クラスも同様の雰囲気になるのが会社というものだ。
社長に直で仕事を見られるのは緊張するし嫌なものでもあるが、経営企画は社長と一緒に会社経営を支える仕事だ。
当然にしても社長も経営企画の日常業務には非常に興味があるもの。
仕事を隠すのではなく、リアルタイムで社長に仕事を知ってもらうことによって無理な仕事要求がなくなり、経営企画の残業削減につながる。
可能であれば、経営企画は社長の近くの席であると良い。
当然にしてコミュニケーションが活発になり、リアルタイムに仕事の状況を伝えられる。
また、社長が振った仕事のせいで経営企画が遅くまで残業していると社長自身も申し訳なく感じてしまうもの。
残業削減したいのなら、社長の近くの席で仕事をするようにすると良い。
プレゼンで「できなていないこと」を先行して伝えるようにする。
社長向けのプレゼン・打ち合わせであっても、潔く「ここから先は分析できていない」など自ら状況を伝えると良い。
勇気がいることではあるが、「ここから先は時間の関係上分析していない」と伝えることで初めて経営企画の逼迫具合が伝わる。
経営企画は少数精鋭の部門ではあるが、場合によっては人数補充してもらえて残業削減できる可能性もある。
何でもかんでも「できる」と言うことが正解ではなく、「できない」ことを伝えることが大切。
なんといっても重要なポイントは社長から突っ込まれる前に「できていない」と先行で伝えることが大切だ。
これによって相手から「なぜできていないんだ」と突っ込まれることを回避できる。
経営企画は重要ポジションなので、社長・役員から仕事の指示を受けることはあるが、
このように「できていないこと」を先行して伝えることによって無理な指示を受けることはなくなり、社長・役員も本当の意味で必要な仕事を見つめ直すようになる。
会議・打ち合わせを減らす
経営企画の仕事の大部分を占める根源を徹底的に減らすことで残業削減できることは間違いない。
私自身、繁忙期は1日10個の会議・打ち合わせに参加することもあり忙殺される。
経営企画という職種柄、仕方ないかなと思うことも確かにある。
出席する会議の多くは社長、役員などの上席が多くこの会議に「欠席する」という選択肢は当然にして難しい。
ただ、そもそもの会議体自体を見直す提案ができるのも経営企画である。
忙しい社長・役員のスケジュールを抑えてまで顔を合わせて会議する必要性があるのかは見直すべき。
書面開催・オンライン開催などでも良いし、会議体自体が多すぎるのであれば開催頻度を見直す提案をしても良い。
他部門との会議も多くは必要ない。
会社経営・採算管理に関連する打ち合わせはとりあえず経営企画が入る場合もあるが、すべてに出る必要はない。
「経営企画も同意した」という証が欲しいだけだったりする。
こういった打ち合わせはどんどん排除していくべき(メールやチャットで済むものは参加しない)
本当に必要なのは「ディスカッション形式」の打ち合わせである。
シナリオ(結論)を設けず、思うままに本音で話し合えるような打ち合わせは有意義だ。
経営企画が残業時間削減する為には、常に「この会議・打ち合わせは本当に必要?」か考えながら仕事をすることだ。
はっきり言って経営企画職は会社の花形重要ポジションだ。
だからといって、残業が当たり前であってはならない。むしろ、他部署の見本となるよう残業なしで退社しなくてはならない使命がある。
過度な残業時間は肉体だけでなく脳も疲労しきっていしまう。
これでは、経営企画本来のパフォーマンス発揮はできない。
当記事を是非とも参考にしてもらうと共に、この記事を読んだ経営企画職の皆様からも残業削減策があれば教えてもらいたい。
(ライター:Nakanishi Hajime)