経営企画コラム

FP&Aの仕事は花形か?地味か?実際にやってみてわかったギャップ5選

FP&Aの仕事は花形か?地味か?実際にやってみてわかったギャップ5選

「FP&A(Financial Planning & Analysis)」と聞くと、企業経営の司令塔のような華やかなイメージを持つ人も多いでしょう。経営会議の資料作成、予算のコントロール、経営層とのやり取り…。確かにカッコよく見えます。しかし、実際にFP&A業務に飛び込んでみると、その裏側には意外な現実が隠されています。

この記事では、FP&A経験者として「花形」と思われがちな仕事の裏に潜む5つのギャップを、リアルな体験談とともに紹介します。

FP&Aの仕事はプレゼンよりもデータ処理が8割を占める

外から見るとFP&Aは「経営会議で華麗にプレゼンする人」という印象がありますが、実際はほとんどが地道なデータ処理。売上データの集計予算差異の分析月次レポートの作成… これらが日々の大半を占めます。華やかなのは最終成果物の一瞬で、それまでの過程はほぼExcelと格闘。地味な仕事が大半なのです。

経営層との距離は近いけれど、発言権は意外と限られる

FP&Aは経営層のすぐそばで仕事をしますが、だからといって自由に発言できるわけではありません。経営方針はすでに固まっている場合が多く、FP&Aはその方針に沿って数字を整え、裏付ける役割を担います。「数字で語る」ことはできても、「方向性を変える」ことはなかなか難しいのです。

FP&Aの繁忙期は経理以上に過酷である

特に年度予算編成期四半期決算期は地獄。経営層からの修正依頼が何度も飛んできて、前日の夜に作った資料が翌朝には使えなくなることもしばしば。経理の繁忙期が決算月に集中するのに対し、FP&Aは一年の中で複数の山場があります。繁忙期はワークライフバランスを取るのは非常に難しいです。

数字よりも「ストーリーづくり」が難しい

FP&Aの仕事では、数字そのものよりも「その数字が何を意味しているのか」を説明する能力が問われます。例えば売上が前年より5%落ちている場合、その原因を営業戦略や市場動向まで掘り下げ、経営層に納得感を与えるストーリーを構築する必要があります。

この「ストーリーづくり」が、単なる数字の入力よりも何倍も頭を使う作業です。

「花形」に見えるのは、社内での立ち位置だけ

FP&Aは社内では経営層に近い存在として一目置かれますが、社外ではほとんど認知されません。営業職のように取引先から感謝されることもなく、プロジェクトマネージャーのように名前が前面に出ることもありません。自己満足に終わりやすいポジションともいえます。

FP&Aの仕事に向いている人の特徴

  • 数字の細かいチェックが苦にならない人
  • 状況に応じて資料を何度も作り直せる柔軟性がある人
  • ストーリーを組み立てて人に説明するのが得意な人

まとめ

FP&Aは確かに社内で注目されるポジションですが、その裏には膨大な地味作業と精神的なプレッシャーがあります。「花形」というよりは、「陰の立役者」。これからFP&Aを目指す人は、華やかな部分だけでなく、現実的なギャップも理解しておくことが重要です。