中小企業診断士コラム

中小企業診断士×MBAのダブルホルダーが最強な理由

中小企業診断士×MBAのダブルホルダーが最強な理由

理論と実務を兼ね備えた“経営企画の最終形態”

「中小企業診断士を取ったけど、MBAも気になる」
「MBAを取ったけど、イマイチ実務で活かせていない気がする」
せっかく苦労して難関資格を取得したのに、そんな声をよく聞きます。

実は最近、経営企画・管理部門・コンサル業界で増えているのが、
“中小企業診断士×MBAのダブルホルダー”です。

一見、学ぶ範囲が重なっているように見えますが、
この2つを組み合わせることで、理論・実務・人脈・信頼性の全てをカバーできる強力なキャリアになります。

中小企業診断士とMBA、それぞれの得意領域

まずは2つの資格・学位の「得意分野」を整理しましょう。

■中小企業診断士
・経済産業省認定の国家資格
・経営全般(財務・人事・マーケ・運営管理など)を網羅
・実務寄りの課題解決力を重視 ・中小企業の経営支援や内部改善に強い

■MBA(経営学修士)
・国内外の大学院で授与される学位
・ケーススタディ中心の“経営判断力”を磨く
・チームでのディスカッション・リーダーシップを重視
・グローバル経営・戦略立案に強い

つまり、
中小企業診断士は「現場実務の専門家」、MBAは「戦略のリーダー」という関係性です。

この2つを掛け合わせると、経営企画やCxO(経営幹部)を目指すうえで“穴のない知識構成”を作ることができます。

理論 × 実務で経営企画・経営管理に圧倒的な強み

経営企画の現場では、次のような2種類のスキルが求められます。

1️⃣ 現場を数字で動かす力(診断士的スキル)
2️⃣ 会社全体を俯瞰して意思決定する力(MBA的スキル)

たとえば、経営計画を作るとき。
MBA的な戦略理論だけでは「絵に描いた餅」になりがち。
一方で、診断士的な実務知識だけでは「経営層の意図」を読み切れません。

両方の視点を持つことで、
「経営戦略を、現場で実行できる形に落とし込む」ことができるのです。

これはまさに、経営企画の理想像。
経営会議で社長の意図を読み、現場数字に落とす。
この“翻訳力”を持つ人材が、どの企業でも引っ張りだこです。

ダブルホルダーが評価される3つの理由

1️⃣ 経営層との共通言語を持てる
MBA的な理論・フレームワークを理解していることで、社長・役員との議論がスムーズになります。
ロジカルな経営分析資料を提示できる点も強みです。

2️⃣ 現場感覚を失わない
中小企業診断士の知識は「現場のリアル」に強い。
会計処理・原価管理・人事制度など、会社を支える実務の裏付けがあるため、
戦略とオペレーションの両立ができる。

3️⃣ 転職・昇進での“信頼性”が高い
経営企画・CFO候補ポジションの採用では、資格やMBAを“信頼の証”として見る企業が多い。
「理論も実務もわかる人」という印象は非常に強力です。

実際のキャリア事例

■Aさん(メーカー経理 → 経営企画部長)
30代で中小企業診断士を取得し、40代で国内MBAへ進学。
診断士で実務力を高め、MBAで経営層視点を磨いた結果、
経営企画部長として経営計画と資金戦略の両面を担当。

Aさんは「資格取得の順序を逆にしなかったのが良かった」と語ります。
中小企業診断士→MBA取得がオススメとのことです。

■Bさん(中小企業コンサル → スタートアップCFO)
独立診断士として活動しながら夜間MBAを修了。
財務戦略と事業分析の両方を得意とし、スタートアップCFOに転身。

「どちらか片方だけならここまで信頼されなかった」とコメント。
大変だけど、ダブルホルダーのメリットは大きそうです。

ダブルホルダーを目指す際のポイント

中小企業診断士とMBA、両方を狙うなら順序が重要です。

おすすめはこのルート👇
中小企業診断士 → MBA
まず診断士で経営の全体像と実務感を掴み、
その後にMBAで理論と人脈を広げる流れが最も効率的。

逆にMBAから診断士に行く場合、理論先行でモチベが下がることがあります。

また、MBA在学中に診断士試験の学習を並行するのは非常にハード。
両立を狙う場合は通信MBA+診断士二次試験免除制度(実務補習経由)を活用すると良いでしょう。

転職市場での評価は?

リクルーターや人材エージェントの評価では、
「中小企業診断士×MBA」は次のようなポジションで引く手あまたです。

  • 経営企画/経営戦略室
  • CFO・管理本部長候補
  • 経営コンサルティングファーム
  • ベンチャーCFO補佐・経営管理マネージャー

特に40代以降のキャリア再構築では、
“資格と学位のダブルブランディング”が効く。
単なる資格マニアではなく、「経営を動かせる実務家」として扱われるからです。

中小企業診断士とMBAの資格取得は学習範囲が被るから取得しやすい

中小企業診断士とMBAの大きなメリットの一つは、
学習範囲がかなり重なっているという点です。

両者とも「経営全般を体系的に学ぶ」ことを目的としているため、
以下のような分野ではほぼ共通しています。

・財務会計・管理会計
・経営戦略・マーケティング
・人事組織論
・オペレーション・ロジスティクス
・経済学・経営分析

診断士試験で一度学んだ内容は、MBAでもほぼそのまま活かせるため、学習の効率が非常に良いのです。

たとえば、診断士の「企業経営理論」で学んだSWOT分析やポーターの5フォース分析は、
MBAの授業でも頻繁に登場します。
会計論に関しても、管理会計・原価計算・財務分析の基本構造はほぼ同じ。

つまり、診断士で“幅広い基礎”を固めてからMBAで“応用”を学ぶと、最小の努力で最大の成果を得られるわけです。

特に国内MBAでは、診断士の一次試験・二次試験で培った知識が
入学後のディスカッションや課題で即戦力として使えるケースが多く、
「授業の理解スピードが早い」と感じる受講生も多いです。

さらに診断士資格を持っていると、
MBA入試(特に社会人MBA)で「経営知識を既に持っている」ことが評価され、
出願書類や面接でアピール材料になる点も見逃せません。

まとめ:理論と実務をつなげられる人が最強

中小企業診断士とMBA。
どちらか一方でも十分に価値がありますが、
両方を取得することで「経営の現場」と「戦略の空」を自由に行き来できる存在になれます。

つまり、ダブルホルダーは
“経営の翻訳者”であり、“企業価値を高める実務家”

もしあなたが経営企画やCFOを目指しているなら、
この2つの組み合わせは“最強のキャリア投資”になるはずです。