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上場会社の連結決算経理は激務!年収・キャリア市場価値は?

上場会社の連結決算経理は激務!年収・キャリア市場価値は?

「気づけば終電、決算期は毎日深夜2時タクシー帰りが当たり前でした…」
これは、上場会社で連結決算を担当していた30代経理社員Bさんの言葉です。

上場会社での連結決算は、経理の花形でありながら激務としても有名。
一方で、転職市場では高く評価され、年収やキャリアアップの大きな武器になります。

この記事では、上場会社の連結決算経理のリアルを、年収・キャリア・激務さの観点から深掘りしていきます。

なぜ上場会社の連結決算経理は激務なのか?

連結決算業務は、グループ全体の数字をまとめ、正確に開示する責任を負います。
特に上場企業は投資家や監査法人の目が厳しく、1円単位の誤りも許されません。

・子会社が数十〜数百社にのぼる場合もある
・海外子会社とのやりとりは時差や言語の壁がある
・決算期末は「残業・休日出勤」が当たり前

体験談によれば「期末は午前2時に帰宅して、翌朝9時にはまた出社。まさに激務ブラックです…
ただでさえ日常業務が激務なのに「監査法人からの質問対応で一日が終わることもありました」とのこと。

上場会社の連結決算経理の年収水準

それだけの激務の分、年収は普通の経理職と比較しても高めに設定される傾向があります。
参考までに連結決算経理の標準的な年収モデルを紹介します。

・20代後半〜30代前半:500〜700万円

・30代後半〜40代:700〜1,000万円

・部長クラス:1,200万円超も

特に「連結決算ができる人材」は市場で希少価値が高く、転職でも有利に働きます。
転職すれば前職年収よりもアップで提示してくれるケースも多いため、転職毎に年収を上げていくジョブホッパーも存在します。

連結決算のキャリア市場価値はなぜ高いのか?

連結決算の経験は転職市場で引く手あまたです。
普通の会社の経理と比較すると大きくアドバンテージを持った光る人材です。
連結決算経理がキャリア市場で評価されるのは以下の理由です。

  • 上場企業や外資系では必須スキル
  • 会計監査やIFRS対応など、専門性の高い経験を積める
  • CFO候補や経営企画職へのキャリアパスも開ける

実際にBさんも「激務だったけど、その経験のおかげで外資系メーカーに転職でき、年収も200万円以上アップした」と話しています。
経理はそれほど高年収ではないイメージですが、連結決算経理だと年収1,000万円超えも多くなります。夢がある世界です。

ワークライフバランスは?働き方改善は進んでいる?

システム導入や決算早期化により効率化は進んでいますが、完全に激務から解放されるわけではありません。

  • 期末月は深夜残業・休日出勤が常態化
  • 監査法人からの突発的な修正依頼で徹夜対応
  • 海外子会社対応で早朝・深夜のミーティング

「働き方改革で残業が減った」とは言っても、決算期は依然として体力勝負です。
決算期は激務でワークライフバランスが取れるとは言えない環境です。
閑散期もルーティン業務もあり忙しい職種ですが、上手くやり繰りして大型連休を取る人もいます。

連結経理ポジションに異動するにはどうしたら良い?

「連結決算をやってみたいけど、どうやったら異動できるのか?」という悩みを持つ経理の方は多いです。
基本的には社内での希望申告やキャリア面談を通じて異動の意思を伝えるのが第一歩です。加えて、子会社経理・単体決算業務でしっかり実績を積んでいることも重要。
単体決算業務をきちんと理解していないと、連結の仕組みも理解が難しいからです。

また、グループ会社管理や子会社とのやり取りの経験があると、連結経理部門からも「即戦力になりそう」と評価されやすくなります。
もし現在の会社にチャンスがなければ、転職市場で「連結未経験歓迎」とする企業を探すのも一つの方法です。

連結決算業務に役立つおすすめの会計資格は?

連結経理では、高度な会計知識と国際的な基準への理解が求められます。
そのため資格取得は非常に有利に働きます。具体的には以下の資格がキャリアアップに直結しやすいです。

  • 日商簿記1級・2級
    単体決算から連結の基礎を理解する上で必須級。特に1級は連結会計を網羅しているため直接役立ちます。
  • USCPA(米国公認会計士)
    IFRSや海外子会社との連結を意識する企業では非常に重宝される資格。外資系や上場企業での市場価値が高まります。
  • 公認会計士(日本)
    難易度は高いですが、監査法人出身者が連結決算担当に引き抜かれるケースも多く、転職市場でも高評価。
  • FASS検定
    経理実務能力を測る資格で、特に連結業務に直結する知識も含まれています。

会計資格は「必須」ではありませんが、持っていることで異動希望や転職活動の際に強力なアピール材料になります。
特に30代以降は即戦力性が重視されるため、資格取得と実務経験を組み合わせてキャリアを築くのが効果的です。

まとめ:連結決算経理は激務だがキャリア価値は抜群

上場会社の連結決算経理は確かに激務です。
ですが、その経験は市場で非常に高く評価され、転職・年収アップ・キャリア形成に大きなメリットをもたらします。

  • 短期的にはハードワーク:期末は深夜残業必至
  • 中長期的には高リターン:年収・市場価値ともに高い

覚悟を持って挑戦できる人にとっては、キャリアを一気に引き上げる“最高の武器”になるでしょう。