私は経理職を5年間続けています。
総合職入社の為、異動で経理になりました。当初は希望していなかったのですが、必死に努力した甲斐もあり今では経理の仕事に自信とやりがいを持っています。
そろそろ異動内示があるのですが、毎年怯えています。5年も経理をやっているので、そろそろ異動も有り得ます。私は絶対に経理から異動したくないのですが何か良い方法はありますでしょうか?
会社員に異動は付き物。特に総合職であればジョブローテーションで様々な部署経験をさせる特徴があることから、異動の可能性は年々高まるでしょう。
絶対に経理から他部署へ異動しない方法はありません。ただし、経理から異動する確率を減らすテクニックならあります。現役経理マンライターが質問に回答します。
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総合職の異動サイクルは何年が目安?
およそ3年から5年を目安に異動が一般的です。
総合職ではジョブローテーションで多くの部署を経験させることで人材育成を図り、将来の幹部候補へと成長させます。
つまり異動はポジティブなものであり、総合職で同じ部署に長く居ることは望ましいことではないのです。
3年から5年といえば仕事にも慣れ始め、リーダー的立場として目標達成を牽引したり部署の後輩社員や部下の育成などに関与したりする頃です。この頃に異動で別部署になり、また他部署でイチから学び直す…これが総合職なのです。
会社によっては異動サイクルは目安より長かったり短かったりします。
総合職で経理配属の場合、異動目安は?
他職種よりも長くなる傾向にあるでしょう。
営業職などは異動してすぐに即戦力になる場合が多く頻繁な部署異動があります。
一方、経理、法務、システムなど専門性が問われる部署では異動サイクルが長くなる傾向はあります。
具体的な目安年数については回答しにくいところです。3年程度で営業や他職種に異動になる人もいれば、10年以上経理にいる人や定年退職まで経理にいる人もいます。
経理から異動したくない人がするべきことは?
一番簡単なのは「異動したくない」旨を訴えることです。
経理職は地味な仕事です。高いモチベーションを持って仕事をする人はそう多くない中、やる気に満ちていることをアピールすれば異動確率は下がります。
上司との面談、人事との面談、異動希望のヒアリングなどの際にも「経理から異動したくないこと」そして「経理としてきちんとした目標があること」を伝えましょう。
このように経理部門でしか叶わないような目標を具体的にアピールすると効果的です。目標が実現しないうちには異動はなくなるでしょう。
会計資格取得は経理から異動しない為に効果的?
日商簿記1級や税理士(科目合格)などの難関資格では効果的です。
これらの難関会計資格を取得すれば、会社にとっては代わりの効かない経理部員になります。他部署に異動させるのは勿体無いので、異動可能性は下がるでしょう。
しかし日商簿記2級レベルの会計資格でら大きな効果は期待できません。簿記2級であれば他部署でも資格保有者がいる可能性があるからです。(学生時代に取得したなんて人も多いです)
管理職昇進すれば異動可能性は減る?
確実に減るはずです。
経理マネージャー(課長)レベルまで昇進することができれば、会社にとって代わりが効かない存在になります。
一度経理管理職に昇進すれば他の会計無関連職に異動させられる可能性はかなり減るでしょう。
その他、経理から異動したくない人がすべきことは?
幅広い経理実務経験を積むことです。
自分にしかできない仕事が増えれば増えるほど「異動させることができない人材」となります。その為には多くの業務習得をする為、積極的に仕事を取りにいきましょう。
誰でもできる仕事・マニュアルを見れば他の人でもできる仕事には価値がありません。急な異動内示が出ても次の人が引継げば良いだけです。
あなたが人事部長や社長だったら。あなたを異動させますか?それとも異動させるなんて勿体無いと思いますか?是非とも、異動させるのが勿体無いと思われる唯一無二の人材になってください。
また、嫌らしい話ですが現経理管理職の上司に媚を売り気に入られることも大切です。人事が異動案を出そうとも、経理管理職の了承を得なければ異動確定とならないケースも多いはずです。経理管理職があなたを気に入り、これからも一緒に働きたい人材であればそう簡単には異動の了承を出さないはずです。
もし経理から異動させられたら退職できる?
法律的には退職できます。
最優先となる法律上だけの話をすれば、退職届を提出してから2週間後には退職することができます。一般的に異動内示は2週間以上は前に出されるはずなので、他部署に異動前に退職することができます。
ただし、別途社内規定が設けられていることがあります。たとえば「退職は1ヶ月以上前に申し出ること」や「総合職が異動内示を断った場合、一般職との給与差を遡って請求する」など。社内規定よりも法律が強い為、強制的に退職することは可能です。しかし、円満退職しないと保険手続き等で気まずい想いをしたり、退職後に他の社員と会う機会があれば不利益を被ることになるのでオススメはしません。経理から異動でどうしても退職したいのなら社内規定に従って退職しましょう。
異動内示が出て退職願を出すとどうなる?
再度異動を考え直されることもあります。
異動内示はあくまでも予定段階であり正式決定ではありません。本人の意向を調査する目的もあります。
経理以外の部署に異動になることか絶対に嫌なのであれば、内示時点で「異動するなら退職する」という意思表示をすることもできます。
この意思表示によって異動が取消になったというケースもあるようです。しかしながら、当然カンタンにはいきません。通常、異動案は社長含め何度も調整を重ねて決められたもの。異動が嫌というだけでカンタンに変えることができるはずもありません。
それでも経理から異動内示が出たら…?
異動理由を上司や人事に聞いてみましょう。
その異動理由があなたの成長を願うポジティブなものなのかを見極めましょう。
たとえば、以下のような異動理由です。
こんな異動理由であれば、まずは新しい部署への異動を受け入れてみましょう。もしかすると異動先のほうが合っているという可能性もあります。それでもやはり経理に戻りたいという意志が強いのであれば働きながら転職活動をするのも一つの手です。
経理の実務経験があれば他社の経理に転職するのも難しくありません。
経理から異動したくない人の転職は?
経理専任職として転職しましょう。
総合職採用が多い新卒採用とは異なり、中途採用では経理専任としての募集も多くなります。専任職でも総合職より給与待遇が下がるわけではありません。
せっかく経理として実務経験を積み勉強してきたのに他の職種に異動してしまえば、キャリアはストップしてしまいます。この先も経理で頑張りたい意志がハッキリしているなら経理専任職として転職は賢明な選択です。以下のように志望動機を語ることもできます。
私はもっと経理の専門性を高めていきたいのですが、今の会社では異動があります。貴社の経理専任職として生涯貢献していきたいと考えています。
中途採用面接では「何故今の職場でなく、転職したいのか」を問われます。現職が総合職で異動があり、自らのキャリアプランの為に経理専任職に転職したいという志望動機は大きな軸を持っています。
経理マンとしてのキャリアデザインを明確にし自身に合った行動をはじめましょう。
(ライター:Nakanishi Hajime)