ビジネスコラム

【転職】マネジメント経験はアルバイト教育も含む?

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転職サイトの求人要項を見ていると、「マネジメント経験必須」や「マネジメント経験者歓迎」という文字を見かけます。
非常に曖昧な表現だけに、どんな職務経歴があればマネジメント経験と呼べるのかイマイチわかりにくいです。

アルバイトやパートの教育はマネジメント経験に入るのでしょうか。
当記事では店舗ビジネスの正社員を想定しています。店舗ビジネスはアルバイト・パート比率が高く、新入社員であっても入社後すぐに彼らの上司となります。店舗ビジネス正社員が転職時にマネジメント経験をアピールするにはどうすれば良いのかをまとめます。

何故企業はマネジメント経験を求めるのか

まず第一に募集する企業側の立場になって考えましょう。

企業の人事は中途採用の募集要項を作成する前に、ある程度の人物像は決まっています。
中途採用募集をかける背景を想像しましょう。たとえば…

経理課長が急な退職でピンチ!至急中途採用で代わりになる人を探さなきゃ!

こうなったときに企業が欲しいのは、将来有望なポテンシャルのある若手経理マンではありませんよね。
かといって、経理プレイヤーとしては素晴らしいスキルを持っているけど人をマネジメントするのは全く苦手な人でも困ります。
経理課長の代理になってくれる人材に転職で来てもらいたいと考えるのが当然です。

求人要項など表には出せなくても、以下のような人材像が企業は出来上がっているはずです。

・年代
・性別
・役職
・職務経験年数
・スキル
・性格

中途採用計画を立てる企業はこんなことを考えます。

経理課長の代わりになる40代後半くらいのマネジメント経験あるベテラン男性がいいな。
ピリピリした経理部の雰囲気を和ませられる穏やかなタイプの人が面接に来たら是非とも採用しよう。

つまり、求人要項にマネジメント経験と書かれている場合は転職先でも管理職もしくは管理職候補として採用されるのです。
現職でもマネジメント経験のある人は、転職先企業でも管理職を任せても良いと判断されます。
逆に言えば、マネジメント経験が全くない人を中途採用で雇うくらいなら既存の経理部員を昇進させて管理職にさせることを第一に考えるでしょう。

基本的にマネジメント経験とは管理職のことを指す

一般的に転職市場での「マネジメント経験」とは課長・マネージャークラス以上の管理職を指すことが多いようです。
役職呼称は会社によって異なりますが、残業代がつかない管理職がこのマネジメント経験者に値します。

居酒屋店長も残業代がつかない管理職であれば転職市場でもマネジメント経験有りに値します。
実態は居酒屋店長は社員1~2名で運営していることも多いと思いますが、それでも店長は管理職です。

残業代がつかないということは、自分の責任で仕事、時間、予算、人材(部下)をコントロールできる立場ということです。

係長は?主任は?部下がいてもマネジメント経験にならない?

課長やマネージャークラスではないけど、係長や主任などの役職がある場合には転職市場ではマネジメント経験と呼べないのでしょうか。

係長や主任などは一般的には管理職の補佐的立場であり、残業代支給があります。
部や課などのひとつの組織のリーダーとしての責任や数字を任されている立場ではありません。

とはいえ、役職者として部下の評価や育成を担当していることは転職先の企業によってはマネジメント経験として評価されることもあります。

アルバイト・パート教育はマネジメント経験に入る?

それでは本題に入ります。
まずは、店舗正社員と言っても美容院のようにアルバイトが少ない業態もあれば、コンビニのように社員不在で運営する業態もあります。

アルバイトが多い店舗ビジネス例

・飲食店(カフェ、ファーストフード、レストラン、居酒屋等)
・小売店(アパレル、コンビニ、スーパー、ドラッグストア、書店、レンタルショップ等)
・教育(学習塾、予備校等)
・サービス業(パチンコ、カラオケ、映画館、テーマパーク、インターネットカフェ、ゲームセンター、スポーツクラブ等)

店舗ビジネスの正社員はアルバイト・パートの上司となります。
場合によっては、店舗の新入社員であればオフィス課長などの役職者よりも部下が多いこともあります。
学生アルバイトだけでなく、元はバリバリ正社員で働いていた主婦パートなどもいますから、その上に立って仕事をするのは決してカンタンなことではありません。

店舗ビジネス正社員はこんなアルバイト・パートスタッフにこんなマネジメント業務をします。

・採用面接
・入社研修、フォローアップ研修
・指導教育
・人事評価
・シフト作成
・タイムテーブル作成
・労務管理

相手がアルバイトやパートというだけで、オフィス勤務の管理職が行う業務と似ています。
とはいえ、部下が正社員かアルバイトかは別物と考える企業もあります。
正社員がアルバイトの上司になるのは当たり前のことであり、仕事ぶりが認められて上司になった訳ではないからです。

また、店舗ビジネスの正社員にはそれ以外にも様々なマネジメント業務があります。

・売上管理
・備品・設備管理
・販促企画
・イベント企画
・トラブル対応
・クレーム対応

大手チェーン店の場合は本部指導の元に行いますが、それでも矢面に立ってマネジメントしているのは店舗正社員です。

事実上、ヒト・モノ・カネ・情報など与えられた経営資源を使ってマネジメントしているのです。
それをどうアピールするかが大切なのです。

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店舗正社員の転職面接アピールテクニック

ただ店舗の正社員というだけでは、接客や販売をするだけのイメージを持つ面接官も多く、マネジメント要素が無いように思われることもあります。
部下を持ち、マネジメントしてきた経験をしっかりと伝えましょう。

店舗正社員のマネジメントアピールテクニック

・アルバイト・パート部下の具体的な人数を職務経歴書等に書く。
・採用、教育、評価など管理職と同様の業務をしていたことを具体的に書く。
・面接ではマネジメント業務で苦労したことや学んだことを伝える。

それでは、転職面接を想定した具体的な回答例です。

マネジメント経験はありますか?
役職としての管理職経験はありませんが、店舗社員としてアルバイト・パート20名の管理を任され、採用・研修・評価まで担当しました。

役職経験はないことを素直に述べながらも、マネジメントに匹敵する経験があることを具体的人数を用いて伝えましょう。

20人ものアルバイトやパートさんの管理は大変ではないですか?
はい。考え方の違う人も出てくるので大変でした。定期的に個人面談を行い、時間を取ってでも会社の方向性を理解してもらうようにしたところ関係性は良くなり、積極的にセールスしてくれるようになりました。店舗の売上も10%増加し予算達成ました。

人をマネジメントする難しさを理解しつつも改善策を考え結果を出した経験をアピールしましょう。
管理職とは最終的なゴールとしては任された数字(予算)を達成すること。
きちんと結果を出せたことはアピールすべきです。

後輩社員の教育担当はマネジメント経験?

アルバイトやパート教育よりも後輩の正社員教育担当のほうが評価はされやすいです。

とはいえ、これは「指導経験」であって「マネジメント経験」ではありません。
マネジメント経験を聞かれたときには自ら答えないほうが良いでしょう。

職務経歴書には後輩社員の教育担当だったことを書いておくと良いでしょう。
転職面接で聞かれた時には、後輩教育を通じて学んだことを答えられるようにしておくべきです。

【結論】アルバイト教育をマネジメント経験にするのはアピール次第!

マネジメント経験という言葉に明確な基準はありません。
転職先企業が求めるマネジメントの意図も様々です。
職務経歴を上手くアレンジしてマネジメント能力があることをアピールすることが大切です。

つまり、アルバイト教育もマネジメント経験のひとつとして転職先企業にアピールすることは可能です。
詳しいテクニックはプロフェッショナルである転職エージェントに相談してみると良いでしょう。

相手企業の求める人材像が管理職クラスであればどんなにアピールしても採用されないかもしれませんが、アルバイトやパート教育も立派なマネジメント業務。「マネジメント経験者」という言葉に怯えることなくチャレンジしてみると良いでしょう。
(ライター:Kitagawa Maiko)