経理職の就職・転職に有利な会計資格として有名な日商簿記検定。
簿記検定は日本商工会議所が認定する会計検定。
会計初心者向けの「初級」、個人商店の仕訳をメインとした「3級」、経理部や財務部のスタンダード知識となる「2級」、公認会計士や税理士資格の登竜門となる「1級」の4つのレベルに分けられています。
当記事で書きたいのは「簿記準1級」について。
導入されれば経理部のスタンダード資格になるのではないでしょうか。
Contents
現在、簿記準1級という資格は存在しない。
まさか知らないだけで実は簿記準1級ってあるんじゃないの??と思って一応調べました。
現在のところ簿記準1級は存在しないようです。
英検や漢検には準1級があるのに簿記検定にもあっても良さそうなのですが…
また、今のところ簿記準1級が誕生するという情報はありません。
もちろん簿記準2級もありません。
簿記1級と2級の難易度格差が大きすぎる。簿記準1級が必要では!?
ネット上でも多くの声が上がっているのは、「簿記1級は難しすぎて簿記2級は簡単。格差が大きすぎる!」ということ。
実際、どれだけの難易度の格差があるのでしょうか。
まずは簿記1級、2級のそれぞれの資格データをまとめます。
受験資格:なし
出題分野:合格率:約10%
必要勉強時間:約800時間
試験回数:年2回(2月、11月)
受験資格:なし
出題分野:合格率:約25%
必要勉強時間:約200時間
試験回数:年3回(2月、6月、11月)
簿記2級は独学でも合格できる資格ですが、簿記1級は独学ではかなり難しく資格学校などの力を借りないと難しいと言われています。
働いている人にとっては独学で取得できる資格は取得しやすいですが、資格学校に通うとなるとかなりの覚悟が必要でしょう。
簿記1級を受験する人は簿記2級合格者の中でもモチベーション高く勉強を続けてきた人です。
その中で合格率がたったの10%というのはかなりの難関資格と言えるでしょう。
多くの経理部員が簿記2級取得後に勉強をストップしている現状。
簿記2級は経理部なら結構な確率で資格取得していますし経理部に転職・異動前に取得する人も多いでしょう。
早い段階で簿記2級資格取得をした経理部が次に何を勉強したら良いのでしょうか。
税理士や公認会計士は経理部としてオーバースペック。
FPやBATICなど他の会計資格もありますが簿記検定ほど経理業務に関連性がありません。
必然的に簿記1級受検が視野に入りますが圧倒的に高い難易度から受検を諦めたり挫折した経理部員が多いです。
次の目標がない為、経理部員はこれ以上勉強して成長することを止めてしまいます。
これでは日本企業の会計レベルは上がりませんね。
経理部の転職活動や就職活動においても簿記準1級のニーズは高まることは必至。
経理部に転職や就職したい人は履歴書に簿記資格を書くことでアピールになることは経理関係者でなくともわかる周知の事実。
簿記3級は転職・就職市場でニーズ無し。
簿記2級は採用条件として多くの企業が提示するものの、「簿記2級レベルの知識は最低限欲しい」というのが企業側の本音であり経理部への転職・就職においてアドバンテージは無し。
簿記1級は逆にオーバースペックすぎて、大企業でない限りは逆に採用しにくいとの企業側の意見もあるようです。
簿記1級は見合った経理経験があれば転職市場でも評価が高いです。しかしながら、経験不足では「頭でっかち」な印象を持たれます。
もし簿記準1級という資格が誕生すれば、多くの企業の経理部募集要項は「簿記2級必須、簿記準1級以上優遇」など表記され、実態としては簿記準1級資格取得者の中から採用者を選ぶでしょう。
当然、こうなれば経理部に転職したい人は簿記準1級の資格勉強をはじめることでしょう。
ただし、経理部では簿記準1級取得を推奨される可能性大!
多くの企業の経理部員には簿記2級の資格取得を推奨されているでしょう。
経理業務経験のある人にとって簿記2級はそこまで難しい資格ではありません。
しかしながら、簿記1級まで資格取得を推奨あるいは強要する会社は少ないでしょう。
簿記1級の難しさは世間的にも認知されている為、そこまでを経理部員に強いることはしないでしょう。
もし簿記準1級が出来たら資格取得を推奨される経理部員は多いと予想されます。
簿記準1級資格取得が経理課長や主任への昇格条件となる企業も増えるでしょう。
簿記初級が導入されたが、簿記準1級は導入されず。
会計初心者向けに平成29年に導入されたのが簿記初級。
簿記初級が必要な気持ちはわかります。
私自身、学生時代に簿記3級を受験してみましたが全く理解できず不合格し挫折しました。
簡単な資格に思える簿記3級ですら、社会に出たことのない学生にとってはイメージが掴みにくいものです。
当時に簿記初級があればよりスムーズに会計の勉強がスタートできたかもしれません。
しかしながら、簿記準1級は導入に至りませんでした。
とはいえ、日本商工会議所は簿記の級編成を見直す動きが出ているので、今後に期待はできます。
簿記準1級ニーズが日本商工会議所に意見が届けば…
当記事執筆にあたり、ネットで「簿記準1級」のニーズについて調べてみました。
などの声がありました。
簿記準1級導入されれば、日本商工会議所にとっても資格試験による収入は大きなものと推測できます。
その中でもメジャー資格である簿記検定は大きな収入源なはず。
簿記準1級を導入することで間違いなく受験者は殺到するでしょう。
簿記2級合格者、簿記1級を挫折した人、公認会計士や税理士を目指す人も簿記準1級を受験するはずです。
導入が叶うには、日本商工会議所へニーズを届けることが必要です。
ネットの時代ですから、ネット上でこうして多くの人が簿記準1級ニーズを書き込んでいくこともひとつの手でしょう。
【まとめ】今後、簿記準1級導入の可能性はあると予測。
願望半分の私見としては簿記準1級は有り得ると思います。
さいごに、簿記準1級を導入することによる効果をまとめます。
・日本企業会計力向上
・転職市場における簿記準1級ニーズ増加
・簿記検定のさらなる知名度拡大
・日本商工会議所の受験料収入増加
プラス要因がかなりある上、ニーズも高いので今後に期待ですね。
当サイトでは今後も簿記検定に関する様々な情報を掲載しています。
(ライター:Takahashi Shuta)