会計資格Q&A

経理の転職に英語力は必要?有利になるTOEICスコアは?

管理会計ラボ_投資評価マスター講座を受講(レビュー)
経理歴6年、転職を考えています。
転職先は同じ経理職で今より年収や待遇アップが望めれば転職したいと思っています。
主計、税務申告、資金繰りなど様々な経験をし、主任として部下のマネジメントにも携わり、資格も日商簿記(2級ですが)を持っています。
経理の仕事には自信があり転職先も沢山あると思い込んでいました。
しかし、いざ転職活動をはじめると英語力を問われるケースが多く感じます。
「行きたいな」と思う企業があっても、応募要件には「ビジネス英語スキル」や「TOEICスコア」があり門前払いです。
私は日系企業の経理なので英語は使わないし、全く必要と感じたこともありません。
今の時代、経理職の転職も英語力は必要なのでしょうか。教えてください。

日本企業で働く経理マンにとっては、英語力の必要性を感じない人も多くいます。
しかし、「今必要性を感じないから英語の勉強はしない」という考えは早めに捨てないとグローバル時代に置いていかれ、社会で不要な人材になる恐れもあります。
経理の転職と英語力についての質問にお答えします。

どんな企業の経理の転職に英語力は必要?

外資系企業、輸出入のある企業、海外子会社のある企業、そして大企業です。

真っ先に浮かぶのは外資系企業の経理職です。経理職に限らず英語力が問われる代表格です。
次に、輸出入を行う企業であれば経理処理も英語が伴います。
海外子会社のある企業では、現地通貨を日本通貨に変換して連結会計を行わなくてはなりません。
そして、大企業では大半の企業がグローバル化を進めています。
英語力のある人材=将来性のある人材と見なしていく風潮は強まっています。
大企業では国際会計基準(IFRS)の導入を進めていかなくてはならない為、英語力は益々問われます。

転職エージェントに登録しても英語力は聞かれる?

どのエージェントも登録時に英語力を聞かれます。

英語力がない人材は転職エージェントを通じた転職は不利になります。
データベース上に英語力が登録されます。
企業が「英語力のある人材が欲しい」と採用活動をはじめたとき、データベース検索で即除外される可能性があるのです。

英語力が問われない経理職もある?

企業によっては全く問われません。

しかしながら、前述のとおり英語力がなければ転職先の選択肢は確実に狭くなります。
また、年収相場もダウンすることになります。
転職において最優先されるのは経理実務経験ですが、次の武器になるのが英語力です。

良い転職先で高年収を狙うのなら英語力をつけないのは勿体ないことです。

どのレベルの英語力が必要?TOEICスコアは?

ビジネス英語の読み書き。TOEIC600点以上が求められます。

英語力が高いに越したことはありませんが、実際の経理実務ではビジネス英語の読み書きができれば困らないことが大半です。
また、TOEICスコアについても600点を超えれば何とかなります。

そう考えればそこまで難しいことを要求されている訳ではありません。

何故企業は経理職に英語力を求めている?

企業の将来を担う人材にグローバル対応力が欠かせないからです。

特に中途採用では、社内に不足しているスキルを持った人材が重宝されます。
転職先の経理部門内に英語力のある人材がいなければ、会社の将来性は危険です。
そこで、英語力のある人材を社外から獲得しようとするのです。
企業のキャリアデザインのキーワードは「グローバル化」です。
当然にして採用活動もリンクします。
会計がわかる人材、英語が話せる人材は存在しても、会計力と英語力の両方を兼ね揃えた人材は少ない為に、貴重な存在となるのです。

経理職ではどうやって英語の勉強をすれば良い?

最もオススメなのはBATIC(国際会計検定)の受験です。

BATICは国際会計基準IFRS(イファース)をベースとした会計理論のスコア制試験であり、出題はすべて英語です。
多くの大企業の重要課題である国際会計基準導入知識と英語力を同時に習得できます。
合否判定はなく、スコア別にランク付与されます。
上位2ランクのコントローラー、アカウンティングマネージャーは転職でも一定の評価を受けます。経理職でキャリアアップしたい人には是非ともオススメしたい将来性ある資格です。
(ライター:Nakanishi Hajime)