転職を機に経営企画職（経営管理職）のポジションを狙う人も多いでしょう。
しかし、少数精鋭部隊の経営企画職は非常に狭き門。
内定はおろか、書類選考に応募前段階の求人票の「応募必須要件」で諦めてしまう人も多いです。
何故なら、経営企画の中途採用の応募要件は厳しいからです。
当記事では、中途採用で経営企画職にキャリアチェンジしたライターの体験談を基に、「経営企画職の応募要件でよくあるスキル・知識」についてまとめてみました。転職活動の参考にしてください。
Contents
事業会社での経営企画経験
やっぱり問われる、実務経験。
感覚的には半数以上の企業は、経営企画職の中途採用は経営企画(管理会計)経験者を求めます。
どれだけ営業で素晴らしい功績を残そうが、社内最速で課長職に昇進していようが、やはり中途採用は即戦力が求められる為、営業スペシャリスト ＜ 経営企画を少しでもかじったことのある人材 なのです。
会社によって経営企画職の役割は変わるものの、社長や役員と折衝しながら仕事を進めていく経営企画独特のコミュニケーション能力や収支を見ながら将来予測する能力は経験者のほうが有利と言えます。
意外にも経験年数は問われないことが多いです。
経営企画未経験でもポテンシャルで募集する企業もあります。
少数ですが、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。
予算作成、予実管理経験
全社もしくは事業部毎の予算に携わった経験を応募要件とする企業もあります。
予算とは会社の計画を数字で表したもの。予算を作成し、予算と実績の管理をすることは経営企画の基本です。
どんなことを考えて予算作成をし、達成に向けてどんな工夫をしたかは転職面接で聞かれやすいです。
私の場合、実際に転職面接で聞かれましたが準備不足でしどろもどろに回答しました…
事業部毎の予算は通常は課長・マネージャークラスが担当します。
自分が任されている仕事の予算編成に携わらせてもらえるよう上司に提案するのは経営企画転職へ有効な手段となります。
財務会計の実務経験
経営企画の基本は、会社の数字を理解することです。
圧倒的に有利なのは財務会計出身者。いわゆる経理の人間です。
経営企画職で働く人は、経理出身が多いです。
経営企画職の経験がなくとも、経理の実務経験が3年以上あることが求人票の必須要件となることもあります。
経理経験があり、なおかつ管理会計領域の業務に携わった経験があれば有利です。
具体的には、予算案作成、予実管理、投資案作成等。会社によってはこれらの業務を経理部が担うこともあります。
M&Aに携わった経験
今、重視されるのがM&A。つまり買収経験です。
企業の成長拡大の近道であるM&Aは経営企画などの中枢部門を筆頭に行う重要業務です。
デューデリジェンス経験があれば転職市場でも重宝されます。
ベンチャー企業で「これから成長拡大していく！」という中で経営企画を募集する場合にはM&A経験を求められます。
基本的には求人票の「歓迎要件」であり、必須要件となることは稀でしょう。
日商簿記2級資格取得者
意外に多いのが、日商簿記2級を必須要件としているケースです。
経営資格と言うと、中小企業診断士、MBA、経営士などのイメージがありました。しかし、求人票でこれらの資格名を見たことはありません。
様々な資格がある中でも、やはり強いのは日商簿記検定ですね。
簿記2級は独学でも十分合格できる資格です。転職したいなら必ず取得しておきましょう。
ITスキルが備わっていること
必須要件にITスキルを記載する企業も多いです。
経営企画はパソコンを駆使して資料作成や計数分析を行います。
中途採用は即戦力。入社してからパソコンまで手取り足取り教える暇な企業はありません。予め、最低限のITスキルの有無は選考段階で見極められます。
EXCEL（マクロ）
ACCESS
PowerPoint
BIツール
RPA
嘘をついても選考段階ではバレませんが、入社すればすぐに嘘がバレてしまい痛い目にあうでしょう。
自信がない人は入社前に必ずキャッチアップしておきましょう。
「EXCEL使えますよー」では経営企画職としてはちょっとアピール不足です。
レベルアップして、「EXCELのマクロ機能を駆使して業務改善しました」など具体的なエピソードを添えて話せると転職面接に有利です。
ビジネスレベルの英語力
経営企画でも英語力は求められます。
外資系でない限り、実際に英語を使うかは別として、募集要項に書いてあることは多いです。
特にグローバル化を進める大手企業や、ベンチャーで海外子会社のM&Aを進める企業は英語力を求められます。
とはいえ、実務で英語を使わない企業は求人票の必須要件ではなく歓迎要件として記載されていることが多いです。
英語が苦手でも経営企画職に転職は十分可能ですが、今後を見据えて英会話の勉強をはじめて損はないでしょう。
【番外編】経営企画の中途採用で応募要件にあったもの
ここからは、さほど多くはないものの経営企画の求人票の応募要件にあったものを紹介していきます。
あくまで、参考までに。
何らかのプロジェクトにリーダーとしてまとめた経験
プロジェクトをまとめて成功に導いた経験は経営企画に役立ちます。
あくまでもプロジェクトは会社の中での小さな組織に過ぎませんが、これを大きくしたのが会社という組織です。
経営企画は裏で会社を動かすブレインです。
自発的に業務改善を行った経験
ポイントは「自発的に」ということです。
日々の業務に問題意識を感じ、既存のやり方を変えていくことは経営企画にとって必要なことです。
どんな人でも、探せば1つや2つはあるのではないでしょうか。
自分自身のキャリアを棚卸しし、小さなことでも自発的に業務改善してきた経験を探してみましょう。
国際会計基準IFRS知識
「会計基準なんて経理の話。経営企画には無関係！」なんて他人事ではいけません。
経営企画部門もIFRSを正しく理解しないと務まりません。
国際会計基準統一が進む中、今後さらに注目されることでしょう。
今から国際会計基準IFRSを学ぶなら、BATICという資格がオススメです。
実際、BATICスコアを職務経歴書や履歴書に書くことで興味を示してくれる企業も複数ありました。
マネジメント経験
ここはまぁ、あるあるですね。30代以上なら特に問われます。
特に経営企画マネージャー、リーダークラスの募集であればマネジメント経験は重視されます。
スタッフクラスの募集であればマネジメント経験は「あればなお良い」くらいの応募要件となるでしょう。
私の場合は管理職としてのマネジメント経験はありませんでしたが、アルバイトスタッフや新入社員教育をした経験をアピールしました。
【 さいごに 】必須要件が不足していても応募してみる価値あり！
経営企画は求人票だけでも求められるレベルは高いです。
必ずしも満たしていなくても、書類選考に応募するのは無料です。
嘘付いて無理矢理応募するのは良くないですが、多少背伸びした求人に応募するのはアリだと思います。
転職エージェントが付いている場合には相談してみても良いかもしれません。
経営企画はキャリアアップが図れる素晴らしい職種です。是非チャレンジしてみてくださいね。
（ライター:Nakanishi Hajime）
