コロナ影響により世間の常識が一気に変化し、これまでの当たり前が当たり前ではなくなった。
検定試験もコロナで常識が大きく変わったもののひとつ。
朝起きて試験会場に向かい、試験官の説明を受け、「はじめ」の声と共に一斉に試験をはじめ、「やめ」の声と共に一斉に鉛筆を置く。
そんな常識もコロナ影響でWEB試験(ネット試験)へ切り替わり、日商簿記検定もWEB試験になりました。しかし、簿記2級まで。
受験者からするとWEBで気軽に何回でも受験できることで合格しやすくなりました。
最難関の簿記1級はWEB試験導入はなく、従来どおりの試験会場での筆記試験のみ。
簿記1級受験者からはガッカリなニュースに思えますが…理由について調べました。
そして、将来的には日商簿記1級もWEB試験導入されるのかをお話します。
Contents
【結論】日商簿記1級はWEB試験導入されない。そう、永遠に。
残念ながら永遠に導入されないでしょう。
公認会計士や税理士試験がWEB試験導入されないように。
日商簿記1級レベルの難関資格はカンタンにはWEB試験は導入されません。
きちんとした理由があってWEB試験が導入されないので期待するだけ無駄でしょう。
さて、日商簿記1級のWEB試験が導入されない理由についてはこのあとお話します。
【理由その1】年2回の受験回数を守るため。
受験回数を制限することによって合格者数をコントロールできます。
WEB試験で何度でも受験できれば合格するまで何度でも受験する人が沢山でてくるでしょう。
(商工会議所にとっては大きな収入にはなりますが…)
それだけ何度も受験すれば誰でも(言い過ぎ?)合格できる試験になってしまいます。
日商簿記というメジャー資格として、1級だけはプレミア価値を保ちたい狙いがあります。
【理由その2】カンニングなどの不正を防ぐため。
WEB試験では試験管を常備配置することが難しく、不正しやすい環境となります。
裏を返せば簿記2級や3級のWEB試験は頭を使えばいくらでも不正ができてしまいます。
(絶対にやめましょう)
日商簿記1級は厳正な試験管の管理の下で開催が続けられることでしょう。
【理由その3】同じ問題を出題させないため。
WEB試験では同じ試験問題が使いまわされるケースがあります。
お金はかかりますが高頻度で受験していれば答えを知っている問題に出会うこともあるでしょう。
資格学校が真剣に研究すれば、常に最新問題解答を暗記することだってできちゃいます。
簿記資格の最高峰としては、知っている問題が出題されるなんてあってはなりません。
また、日商簿記1級レベルの問題を作ること自体がかなり大変です。
主催の商工会議所にも大きな負担となるでしょうから。
【理由その4】採点が複雑で調整が必要なため。
日商簿記1級の採点基準はよくわかりません。
WEB試験で自動的に採点するのは省力化して良いことですが、
日商簿記1級は採点基準についても受験が終わってから討議され合格率を一定に保つよう精緻に決められていることでしょう。
逆にWEB試験化してしまうと採点の調整が難しくなるからでしょう。
【さいごに】日商簿記1級の価値は更に高まる!将来性の高い資格に!
これらの理由総じて、日商簿記1級の合格難易度を下げず、合格者数を一定に保つことで資格のプレミア価値を保つことが目的なのです。
日商簿記2級と1級との壁は大きくなり、2級の資格価値は暴落し1級の価値は高騰します。
転職や昇進においても日商簿記1級の価値は高まることでしょう。
2級は持っていて当たり前。1級は本当に凄い資格として経理や財務などの会計職には価値ある資格となるはずです。
つまり、日商簿記1級の資格価値は益々高まります。将来性のある資格となります。
コロナウイルス感染拡大によって会計職のような専門性ある職種は人気が高まります。
難関資格ではありますが、日商簿記1級に今こそチャレンジしてみるのは賢明な選択でしょう。
(ライター:Nakanishi Hajime)