経理の昇進Q&A

知識や年齢は関係なし!経理で出世する人の共通点

経営企画職歴5年。次のキャリアを考えてみた【昇進、異動、資格】

経理職をしている30代後半(男)です。
新卒入社から7年間営業経験し、経理に異動して8年になります。
営業職を続けている同期の中には課長に昇進した人がいます。
彼とは営業職時代は一緒に仕事をし、当時の成績は私の方が目立っていた気もします。

私はというものの、経理に異動してからは昇進が遠く感じます。
今の経理課長はこの道20年のベテランです。経理課長が他の部署に異動などは無さそうです。
役職のない経理メンバーの中にも経理のプロフェッショナル、公認会計士を目指していた人もいて経理知識ではどうあがいても勝てません。
このまま出世できずに同期に抜かされてしまいそうです。

いやらしい質問ですが、経理で課長に出世するにはどうしたら良いでしょうか。
(専門商社 30代男性)

経理という専門性の高い職種で出世するには、営業とは違った視点でキャリア形成しなくてはならない。
勘違いしてはいけないのは、「専門知識や資格では出世できない」ということだ。
経理マンがキャリア形成の為に簿記や税理士資格の勉強をするのは大いに結構だが、残念ながら直接出世とリンクするとは限らない。

専門知識や資格はあるに越したことはないが、実際には部下に知識があるものがいれば頼れば良いし、
本当に必要な知識は顧問税理士や会計士に任せれば良いのだ。
経理で出世するには別のスキルが必要であり、そこには共通点がある。
こちらの質問に経理職専門のキャリアカウンセラーをする当サイトライターが回答する。

【共通点1】プレゼンスキルがある

経理課長になれば、社長や役員に数値をわかりやすく説明するプレゼンスキルが必要になる。

社長や役員はあくまでも経理のプロフェッショナルではない。
無駄に専門知識があるせいで、難しい言葉や凝り固まった簿記の教科書どおりの言葉で説明しても伝わらない。

つまり、「話がうまい」人が経理で出世するのだ。
常日頃から上司・部下・同僚・他部署の人と話をする中で、
「どうしたら伝わりやすいか」を考えておくと良い。

【共通点2】業務改善を提案できる

同じ作業を「いかにラクに・速く」できるかを考え、改善案を提案する経理マンは出世する。

どうしてもルーティンワークが多い経理。同時に、残業も多くなりがちの経理。
今の時代に求められるのは、「なるべく残業しないこと」。

残業ありきでダラダラと仕事をする人は、いくら頑張っていても出世できない。
経理課長には「チームの残業をへらす」というミッションがある。

常日頃から、「今の業務に無駄がないか」、「もっと効率的なやり方がないか」を考え、良いアイデアは積極的に提案していこう。
たとえ採択されないようなアイデアであっても、「残業抑制する」という姿勢がある人間を出世させたいのが会社だ。

【共通点3】はっきりと断れる判断力がある

他部署からの依頼にも、無理なことにははっきりと断ることが必要だ。

たとえば、書類不備があったとしても「まぁいいだろう」と緩い判断をせず、徹底的に修正させることだ。
「ルールだから」と突っぱねるのは聞こえが良くないが、経理はお金を動かす仕事。やっていいこと・悪いことがある。

一歩判断を誤ると誤送金や粉飾をしかねない。
経理課長は厳しい立場にいないといけない。課長が緩ければ部下も甘くなるからだ。

常日頃から、他部署であっても役職者であってもダメなものはダメと言う。
一定の厳しさを持って仕事をすることが求められる。
勝手な判断でミスをしてしまえば、一気に信頼を失って出世はできない。

【共通点4】仕事が見える化されている

「悪いことができない」よう、いつ・何をしているかが見える化されていると良い。

経理は会社で唯一お金を動かす人。
ましてや経理課長になれば、会社の送金の仕組み・抜け道がわかるために、不正会計や横領をしやすくなる。

どんなに仕事ができても駄目だ。
「あの人は絶対に悪いことはしない」と周囲が断言できるだけの信頼性がないとアウトだ。

常日頃から、「業務スケジュールをわかりやすく開示する」、「業務フローをドキュメントに残す」など
なるべく周囲にわかりやすく仕事を見える化できている人は出世しやすい。

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【共通点5】雑談力がある

積極的に雑談をすることは、経理課長に必要な能力のひとつだ。

特に他部署の人と雑談することによってコミュニケーションを取っておくことで、
他部署の人間がどう動いているのかわかるようになる。また、情報が集まるようになる。

常日頃から、他部署の人に興味を示し、何か変化があった際には積極的に話しかけるようにすると良い。
社内でデスクで数字だけを見て他部署に指示をする経理はどうしても嫌われ役になりやすい。

雑談力を鍛えることで、他部署からも好印象を持たれ、仕事がしやすくなる。
経理チームをまとめる経理課長は、他部署はもちろん自部署の部下とも雑談をして関係を良くする役割が求められる。

【さいごに】経理で出世するには少し時間がかかる

残念ながら、営業職よりも経理のほうが出世に時間はかかるかもしれない。

ベテランメンバーやプロフェッショナルが集まりやすい経理は、
人の入れ替わりが激しい営業職と比較すると出世しにくいかもしれない。

しかし、部長や役員などさらに上に出世するには経理の経験はかなり役立つことは間違いない。
将来的に考えると「経理は出世に有利」であると言える。
出世を考えすぎるのは良くないが、常日頃から行動を見直すことは出世への近道だ。即実践を。
(ライター:Kitagawa Mai)