「投資案件の稟議申請が沢山あるけど、これらの投資って本当に効果あるのだろうか?」
「そもそも、投資に対しての稟議を承認するのは感覚だけで、余程変なこと書いてたり矛盾が無ければ通ったりしているよね…」
そんな疑問を日々感じながら経営企画課長職をしている。
経営企画課長は予算策定、KPI管理、経営会議準備など忙殺される。
勉強することは沢山あってセミナーを受講することも大切なのはわかっているが、日々の残業で中々受講できないでいた。
予算策定も一段落し、少しだけ時間に余裕ができたある日。
ネットで検索してとあるオンラインセミナーを目にした。管理会計ラボの「投資評価マスター講座」だ。
講師は公認会計士である管理会計ラボ㈱ 代表取締役 梅澤真由美(うめざわまゆみ)さん。
セミナー受講し、結論として非常に役に立つセミナーだった。
特に経営企画の実務に直結して役立つ話が多く、「投資判断に迷ったときにどう行動するか」がわかった。
当ページでは、私がセミナーを受けて知り得た「投資評価時にすべき行動」について勝手にまとめてみた。
Contents
相場はWEB検索を活用すれば良い。
こんな新入社員でもわかりそうなことだが、やっていなかった。
投資案件の妥当性は部門が出してきたコストや相見積もりだけを信じてはいけない。
相場がどれくらいなのかを頭に入れる一番簡単で信用できる情報は、「一般的にいくらが妥当なのか」ということ。
そこで活用したいのがWEB検索というわけだ。簡単に言えば、自分自身で見積もりを取る行為だ。
投資したい部門は「高くて良いものが欲しい」と思うだろうが、無駄にハイスペックだけなケースも多い。
そこで「一般的にはこれくらいのコストだろうが、何故ここまで高価なものが必要か?」と問い正すことができる。
ここできちんとした説明が即時に上がってくれば良いが、そうでなければ投資すべきではない。
大して調べもせず、とりあえず付き合いのある取引先から言われるままに購入するケースも多い。
こういうケースは大抵は「時間がないから」とか「急いで投資しないといけなかったから」と言ってくる。
投資判断をする経営企画部門としては、提出部門と対等に話す為には最低限WEB検索で知識を入れておく必要がある。
良くない言い方だが、投資する部門を「信じないこと」が大切だとセミナーで言っていた。
計画地には徹底的に費用の「漏れ」をなくすこと
たとえば、投資の見積もり、購入手続き、社内研修、稼働テストなどに係る社員人件費もそのひとつだ。
小さな費用こそ漏れが多い。
取引先(業者)への支払いについては漏れないことが多いが、そこに係る人件費、交通費、光熱費などは漏れやすい。
こういった小さな費用の積み重ねが会社に大きな影響を及ぼす。
経営企画としては、小さな費用漏れを徹底的にチェックする必要がある。
大きな費用より、小さな費用の積み重ね。これを大切にして投資評価していきたい。
コストを「いつ回収できるのか」を明確にすること。
投資プロジェクトは会計年度で語ってはいけない。
経営企画の仕事をしていると、真っ先に重要になるのが今期の予算達成できるかどうか。
いわゆるPL分析はしっかりと行うが、会計年度をまたぐようなプロジェクトについては曖昧になりがちだ。
投資評価するにあたり、予めどのようなキャッシュフローになるかを明確に申請させる必要性がある。
そして、当初の計画どおりのキャッシュフローができているのかを継続してチェックする仕組みづくりをするのも経営企画としての大切な仕事だ。
会計年度にばかりとらわれてしまうと、投資は失敗する。
投資プロジェクトに年度の概念はなく、投資した日を起点として考えなくてはならない。
「投資への想い」を聞くこと。
「想い」がある投資は成功しやすい。
これは稟議書を読んでも絶対にわからない。
電話や対面で直接聞くことが重要だ。
どんな背景で・どんな想いを持って・どんな効果を期待するから投資するのか。
これを自分自身の言葉でしっかりと語れる場合は成功しやすいと言える。
逆に、「上から言われたから」だけで行う投資は危険。想いがないので失敗しやすい。
想いのヒアリングは「いきなり」聞くのが最もオススメ。
アポを取ったり、メールやチャットなどのヒアリングは準備されてしまうからだ。
準備された回答では真の想いは聞けないと言って良いだろう。
「定性的」な情報を大切にすること。
投資評価は定量情報だけでは語れず、定性情報とクロスで考えなくてはならない。
定量情報は、たとえば「1年後に黒字転換する」、「トータル●円のコスト低減ができる」、「売上が●円上がる見込み」などだ。
これらの情報は合理的な根拠があれば投資評価において非常に重要だ。
ただ、定性的な情報もないと失敗する。
たとえば、投資をすることで「営業部の●さんのこんな能力が活かせる」とか「社員のモチベーションが上がる」などだ。
これらの定性的情報は数値では表しにくい。ただ、経営において非常に重要な要素である。
考えうる定性情報は投資時には必ず稟議書に書いてもらうと良い。
【さいごに】管理会計ラボ_投資評価セミナーは経営企画の仕事に役立つ。
講師の梅澤真由美(うめざわまゆみ)先生の話し方も、内容が頭に入りやすい。
すぐに実務に役立つ知識が身についたので、このセミナーを受講して本当に良かった。
企業の経営企画、管理会計、財務会計(経理)部門で働く人は勿論、投資する側の人にもオススメの講座だ。
私も機会があれば是非投資評価セミナー以外の管理会計ラボの講座を受講してみたい。
(ライター:Nakanishi Hajime)