経営企画コラム

経理から経営企画に転職したら年収アップする?実例と企業規模別の違い

経理から経営企画に転職したら年収は上がる?実例と企業規模別の違い

経理職としてキャリアを積んでいると、「このまま経理を続けてよいのか」「もっと稼げるキャリアはないのか」と考える人は少なくありません。
そんなときに有力な候補になるのが経営企画。特に、経理から経営企画への転職は年収アップを狙える可能性が高いキャリアチェンジとして注目されています。
しかし、実際のところ本当に年収は上がるのか?どんな人が成功しているのか?
本記事では、経理から経営企画へ転職した場合のリアルな年収の変化や、企業規模別の違い、注意すべきポイントを徹底解説します。

気になる!経理の平均年収はどれくらい?

まずは出発点となる「経理の年収」から整理してみましょう。経理の平均年収は、企業規模・役職・業界によって大きく異なります。

・中小企業の経理スタッフ:年収350〜500万円程度
・大手企業の経理スタッフ:年収500〜700万円程度
・経理マネージャー・課長クラス:年収800〜1,000万円程度

上記はあくまでも経理の「平均年収」です。
特に大手企業や上場企業では、決算業務・IFRS対応・連結決算など難易度の高い業務を担うことで年収が高くなる傾向にあり、1,000万円を余裕で超える経理職も沢山います。
一方で、中小企業では「何でも屋」として総務・労務業務を含めた幅広い業務を任されても、給与水準は伸び悩むケースが多いのが実情です。
同じ経理でも大手企業や上場企業になるほど年収は高い傾向にあります。

中枢部門!経営企画の平均年収は?大手・中小・外資で違いあり

次に「経営企画」の年収です。経営企画は会社の中枢に位置し、事業戦略・中期経営計画・M&Aなどに関わるため、一般的に経理より高い年収テーブルが設定されています。

・中小企業の経営企画:年収450〜600万円程度
・大手企業の経営企画:年収700〜1,000万円程度
・外資系企業の経営企画:年収1,000万円〜1,500万円も可能

外資系企業では、英語力や戦略立案スキルが求められる代わりに、日本企業よりも年収が高い傾向にあります。日系企業でも、経営層と近いポジションのため、責任の重さが給与に反映されやすいのが特徴です。

経理から経営企画に転職した場合の年収アップ幅の目安

「実際に転職したらどのくらい年収が上がるのか?」は最も気になるポイントです。実務上、多くの経理から経営企画への転職者は、年収50〜200万円のアップを経験しています。

特に、20代〜30代前半で大手企業や外資系に転職できれば、年収が一気に跳ね上がることも珍しくありません。逆に、30代後半以降での転職では「マネジメント経験」「事業会社での経営計画策定経験」などが求められるため、即戦力性がないと横ばいにとどまることもあります。

実際の転職事例:30代・40代でどう変わった?

実際の事例を見ると、その差は非常に現実的です。

・30代前半/大手メーカー経理 → 経営企画:年収650万円 → 850万円
・30代後半/中小企業経理マネージャー → 上場企業経営企画:年収700万円 → 900万円
・40代前半/大手経理課長 → 外資系経営企画:年収950万円 → 1,200万円

このように、30代までは「成長の余地」が評価されるため転職の伸びしろが大きいですが、40代になると「どれだけ即戦力として動けるか」が重視され、難易度が高まります。

重要!年収アップが狙える経理経験の活かし方

経理から経営企画に転職する際には、「どの経験を武器にするか」が非常に重要です。

・管理会計・予算管理の経験
・事業部門や経営層との調整経験
・資格(簿記1級、公認会計士、USCPA など)

特に管理会計や予算策定の経験は、経営企画の「事業計画立案」と直結するため大きな強みになります。また、資格は「数字の専門性」を裏付ける武器として高評価されやすいです。

残念…年収が上がらないケースは?注意すべきポイント

一方で、経理から経営企画に転職できたとしても、必ずしも年収が上がるわけではありません。

・中小企業の経営企画に転職すると年収が横ばい
・「経営企画アシスタント」など名ばかりポジションに注意
・未経験で若手採用枠だと「ポテンシャル採用」になり、初年度は年収据え置き

年収アップを狙うなら「企業規模」「募集ポジション」「期待される役割」をしっかり見極める必要があります。
経営企画アシスタントは秘書のような役割として役員との会議のスケジュール調整などを任されるケースが多く、年収アップは狙いにくいです。

経理から経営企画に転職しやすいタイミングは?(年齢・キャリアステージ別)

経理から経営企画に挑戦する際には「タイミング」が非常に重要です。

  • 20代後半〜30代前半:未経験でもポテンシャル採用があり、狙い目
  • 30代半ば:経理の中でも管理会計や予算策定の経験があれば即戦力枠に入れる
  • 40代以降:マネジメント経験が必須。外資系や大手企業での「課長候補」ポジションが現実的

「どの年齢で挑戦するか」によって求人の選択肢も変わるため、長期的なキャリアプランを描くことが欠かせません。今の自分の年齢を考慮に入れてキャリアプランを考えて転職しましょう。

経理から経営企画に転職する人が直面しやすいギャップとは?

最後に見落としがちなのが「仕事内容のギャップ」です。

経理は「数字を正確に扱う」仕事が中心ですが、経営企画は「数字をもとに未来を描く」仕事。
そのため、次のようなギャップに直面する人が多いです。

  • 数字を集めるだけではなく、事業戦略や市場分析も必要
  • 役員や経営層と直接関わるため、提案力・プレゼン力が求められる
  • 時には意思決定を促す「推進力」まで必要

つまり、経理の延長線上ではなく、経営企画には「経営の言語を話せる人材」が求められるのです。

まとめ:経理経験は経営企画への転職で武器になる

結論として、経理から経営企画に転職すると、年収は平均的にアップする傾向があります。特に、大手や外資系では数百万円単位のアップも珍しくありません。 ただし、年齢・キャリア・企業規模によって結果は大きく変わるため、転職戦略を誤らないことが大切です。

経理で培った「数字を扱う力」は経営企画でも強力な武器になります。あとは「提案力」「推進力」を磨くことで、より高年収かつ市場価値の高いキャリアを築けるでしょう。
経理と経営企画は親和性の高い職種です。経理でしっかりと経験を積んだ後に経営企画にキャリアアップするのはオススメです!