「経理として3年やってきたけど、将来のキャリアを考えてそろそろ次のステップに進みたい」
そんなタイミングでよく浮かぶのが、
「このまま社内で管理職を目指すか、それとも転職で年収を上げるか」という悩み。
経理実務経験3年を積むと、本決算も3回経験しひととおりの業務がわかってくる頃。
様々な選択肢が頭をよぎる時期でもあります。
管理職登用と転職のどちらが“得”かは、あなたの会社の構造・スキル・市場価値によって大きく変わります。
この記事では、経理3年目以降のリアルな選択基準を、年収データ・キャリアパス・将来性の3軸から整理します。
Contents
【結論】年収を短期で上げたいなら転職、長期安定なら管理職登用
- 転職のメリット:
市場相場に即した給与交渉ができ、年収50〜150万円アップも現実的。
経理実務3年があれば候補の会社は無数にあり、年収提示は現年収よりアップが原則で採用してくれるケースが大半。 - 管理職登用のメリット:
社内評価が安定し、ワークライフバランス・役職手当などの長期的安心感を得やすい。
社内ネットワークも活用して管理職登用後も活躍するチャンスが広がる。
ただし、昇進スピードが遅い会社では、3年目からさらに3〜5年昇進待ちになるケースも多く、実力があったとしても必ず昇進できるとは限りません。
転職の方がトータル収益が高い可能性が高いです。
経理3年目の市場価値と年収レンジ
- 平均年収の目安:
420〜600万円(上場企業なら〜700万円) - 評価されるスキル:
月次・年次決算が独力で完結できる、監査対応、税務・原価知識、Excel関数活用
転職市場では「実務3年で一人で月次決算を完結できる人」は“即戦力”として人気が高く、特にIPO準備企業や外資系でのニーズが強いです。
管理職登用で年収アップを狙う場合
昇進による年収アップ幅は平均50〜100万円。
ただし、昇進までの年数が3〜5年かかるケースも多く、「年功的な昇進ルール」が残る企業では効率が悪いことも。
・社内での信頼・裁量が増える
・長期的な昇給テーブルに乗る
・安定した環境で管理スキルを習得できる
・役職手当の割に業務負荷が急増(残業・会議・部下教育)
・市場価値が“社内仕様”になり、転職タイミングを逃すリスク
他社経理へ転職で年収アップを狙う場合
転職では、同じスキルでも「会社を変えるだけ」で年収100万円以上の差がつくこともあります。
経理は横展開が利きやすく、異業界でもスキル転用が可能。
営業や総務と比較しても、他社でも即戦力になるケースが多い為、経理は圧倒的に転職しやすい職種なのは間違いありません。
・市場相場ベースで給与を見直せる
・連結決算・開示・IPOなど、成長スキルを積みやすい
・評価制度がフラットな企業に移るチャンス
・環境適応のストレス
・慣れない文化で即戦力を要求される
・試用期間などで即収入が上がらない場合も
・転職先のカルチャーとのミスマッチリスク
どちらが得か?タイプ別で判断しよう
| タイプ | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 安定志向・長期勤務型 | 管理職登用 | 組織内で信頼を積み上げて昇進を狙う方が安全 |
| 短期で年収を上げたい | 転職 | 市場評価を利用し、給与テーブルを一気に更新 |
| スキルアップ志向 | 転職+資格 | 連結・開示・IFRSなどのスキル取得により将来的に大幅年収UP |
| 家庭との両立重視 | 管理職登用 | 職場慣れがあり、柔軟な勤務体系を取りやすい |
社内で経理管理職登用を狙う場合のコツ
- 定量成果(決算早期化、残業削減、ミス削減など)を上司に可視化
- チームマネジメント・プロジェクトマネジメント・後輩教育担当を引き受け、リーダーシップを発揮
- 面談で「昇進意欲と業務拡大の意思」を明確に伝える
昇進には人事に見せる成果が欠かせません。
社内に実績を残すことで、評価テーブルに乗る可能性が高まります。
転職で確実に年収を上げるための戦略
- 転職エージェントで「同業・同規模・同ポジション」の相場を調査
- 連結決算・IPO準備・管理会計経験を武器にアピール
- 内定複数を取得して交渉力を確保
3年の経理実務があれば、“次の会社では中堅〜上位層”で入るチャンス。
早期に転職して上流工程を経験することで、30代で管理職+高年収の両方を得やすくなります。
実際どちらが得?年収シミュレーションで比較
今から3年後の想定年収でシミュレーションすると以下の結果となります。
- 社内昇進(管理職登用) 約550〜600万円 +100万円前後
年収は安定するが昇進スピードに左右される - 転職(上場 or 成長企業) 約650〜750万円 +200〜300万円前後
市場相場で即アップが見込める
→ 結論:「実務3年」時点なら転職がリターン大。
ただし、転職先でマネジメント経験を積めば、次の昇進はさらに早まる可能性が高いです。
【まとめ】損をしないキャリア判断の基準
・今の会社で「3年後にどうなっていたいか」を言語化する
・年収レンジ・昇進ルール・役職人数を可視化
・「自分の市場価値」を転職エージェントで把握する
・管理職登用を狙うなら、今期から上司に意思表明
管理職登用の道・転職の道のどちらを選んでも、「数字で成果を残す」「資格やスキルを積む」ことで年収アップの土台は作れます。
焦らず、“3年の経理キャリアをどう使うか”を明確にすることが最重要です。

