経営企画Q&A

中小企業診断士 vs MBA。経営企画を目指すならどっちが有利?

中小企業診断士 vs MBA。経営企画を目指すならどっちが有利?

「経営企画を目指すなら、中小企業診断士とMBAどっちを取るべき?」
経営に関わる仕事に憧れを持つ人なら、一度は考えたことがあるテーマではないでしょうか。

経理・営業・コンサル・企画職など、さまざまな職種から経営企画を目指す人が増えていますが、
同時に「資格」や「学歴」という武器の選択に悩む人も多いのが実情です。

本記事では、中小企業診断士とMBAの違い・取得の難易度・経営企画職での評価・転職市場でのリアルな評価を徹底比較します。

中小企業診断士とMBAの基本的な違い

まず両者の特徴を整理してみましょう。

■中小企業診断士
・経済産業省認定の国家資格 ・経営・財務・人事・マーケティングなどを幅広く学ぶ
・日本国内の中小企業支援や経営コンサル分野で強い
・資格登録後は「経営コンサルタント」として独立も可能

■MBA(経営学修士)
・国内外の大学院で授与される学位
・ケーススタディ中心で「実践的な経営判断力」を養う
・海外MBAは英語力・国際感覚が評価されやすい
・大企業・外資系・スタートアップ経営層が高く評価

どちらも「経営に関する知識を体系的に学べる」点は共通していますが、
中小企業診断士は資格、MBAは学位という性格の違いがあります。

取得難易度とコストの違い

経営企画を目指す人にとって、勉強のコストと期間は現実的な要素です。

  • 中小企業診断士
    合格率は約4〜5%。一次試験(7科目)と二次試験(筆記・口述)があり、
    合格までに平均2〜3年かかるケースが多いです。
    費用は独学で10〜15万円、予備校利用なら40〜60万円程度。
  • MBA
    国内MBAなら入学から卒業まで約2年、学費は200〜400万円程度。
    海外MBAでは、1,000万円を超えるケースも珍しくありません。

さらに英語力(TOEFL・GMAT)対策が必須になります。

つまり、中小企業診断士は時間と費用の負担が比較的少ない“資格型”、MBAは高コストの“投資型”といえるでしょう。

経営企画での評価はどちらが高い?

実際の企業での評価を見てみると、所属する業界・企業規模によって異なります。

  • 大手企業・外資系企業 → MBAが有利
    戦略立案・海外拠点との調整・M&Aなどのグローバル案件が多い場合、MBAホルダーは高く評価されやすいです。
    特に外資コンサル、グローバルメーカー、PEファンドなどは「MBA=必須条件」という求人も存在します。
  • 中堅企業・日系企業 → 中小企業診断士が有利
    現場改善・経営分析・事業計画策定など、実務に近い領域を担当する企業では、
    中小企業診断士の実践的知識が高く評価されます。
    経営層への報告資料や経営会議の分析資料づくりにも直結します。

結論として、企業規模・志向によって有利さが変わるというのが現実です。

キャリアアップ・転職での実例

実際に経営企画へキャリアアップした2人のケースを紹介します。

■Aさん(中小企業診断士取得)
前職:メーカー経理職 → 現職:上場企業経営企画部
診断士資格を取得し、社内で経営分析プロジェクトに参画。
その経験が転職時に評価され、経営企画職として内定。
現在は中期経営計画策定チームの一員として活躍中。

■Bさん(MBA取得)
前職:外資コンサル → 現職:日系大手メーカー経営企画
海外MBAを取得し、戦略的思考力とプレゼン能力を武器に転職。
海外拠点のPMI(統合プロジェクト)をリードし、部長昇進。

どちらのルートも成功例はありますが、
MBAは戦略・グローバル志向、診断士は実務・経営改善志向という方向性の違いが明確に出ています。

経営企画を目指すなら、どちらがおすすめ?

結論から言えば、あなたのキャリアの目的地によって選ぶべき資格は異なります。

  • 経営企画の実務・経営分析を深めたい → 中小企業診断士
    数字を武器に、社内で経営に提案できる立場を目指すなら最適。
    また、日商簿記や会計知識と親和性が高く、経理出身者にもおすすめ。
  • 経営戦略・海外事業・CxOを目指したい → MBA
    グローバルなネットワークやプレゼンスを活かし、
    より上流の戦略立案や事業開発に関わりたい人に向いています。

つまり、
👉「社内で経営層に信頼される数字のプロ」になりたいなら診断士
👉「企業のトップや事業責任者を目指す」ならMBA
という住み分けです。

両方取得するキャリアもある

実は、経営企画の世界では「中小企業診断士+MBA」という両刀キャリアも存在します。

診断士で得た経営実務の理解をベースに、MBAで理論と国際感覚を磨く。
特に40代以降の経営管理職がこのルートを選ぶケースが増えています。

両方を掛け合わせることで、
「理論に強く、実践にも強い経営企画人材」として高い市場価値を得られるのです。

まとめ:どちらも目的次第で“正解”になる

中小企業診断士もMBAも、経営企画を目指す上ではどちらも意味があります。
重要なのは資格そのものより、取得後にどんなキャリアを描くかです。

経営企画職は、知識よりも「数字を使って経営を動かす力」が評価されます。
学ぶ意欲と実践が伴えば、どちらの資格も確実にキャリアを引き上げてくれるはずです。