経営企画コラム

経理から経営企画へ転職。志望動機回答例まとめ

経営企画(管理会計)で出世する人の特徴・共通点は?

経理部で働く人のキャリアプランのひとつに、経営企画という道があります。

向上心の高い経理部員は、簿記1級や税理士といった難関会計資格勉強をして経理のスペシャリストとして活躍する人も多いです。
もう一つの道としては、会社のお金を管理した経験を活かし、ヒト・モノ・情報などの経営資源も含めて会社の経営戦略を立案する経営企画という仕事に興味を持つ人も多いのです。
どちらも経理のキャリアアップとして素晴らしい選択です。

もし今経理部で働いていて経営企画部への転職に興味があれば当記事を読み進めてください。転職成功する志望動機回答例をまとめます。

経理部出身者は経営企画部に転職しやすい。

経営企画部という特殊な仕事への転職は、職種未経験でも採用されるチャンスがあります。
求められるレベルは高いですが、様々な職歴を持つ人が経営企画部で活躍しています。
そんな中で、経理部出身は経営企画部の転職に有利です。また実際に経営企画部には経理部出身者が多い傾向にあります。

経営戦略立案にあたり、最も重要なのは会社の経営数値を読み解けること。
財務諸表を作成し読み解いてきた経理出身者は圧倒的なアドバンテージを持っています。

経理から経営計画へ転職の志望動機づくりのポイント

まずは以下のポイントを押さえて志望動機づくりをしてみましょう。

1.経営企画部の仕事の本質を理解すること。
2.経理部からステップアップして経営企画部を目指していること。
3.経理部経験が経営企画部に活かせることをアピールすること。
4.経営企画部では財務会計以外の知識も必要なことを理解し、勉強していることをアピールする。
5.会社の戦略を理解し、課題と将来性について分析した見解を取り入れる。

1の経営企画部の仕事の本質とは。
経営企画部は自分のアイデアで会社を動かすイメージを持つ人もいます。
でも実際にはデータ分析や部署間の調整など地味な仕事も多い上、自分一人で経営戦略を決められる訳ではありません。
社長や役員の補佐役として経営判断をさせる材料を渡す役割と考えると良いでしょう。ここを誤解して「自分が会社を変えてやる!」みたいなタイプは経営企画部向きではありません。
じっくりと分析や社内調整をしてリスクコントロールできる慎重派のほうが経営企画部向きだったりします。抜本的な方向転換をするのはあくまで社長です。

では次から具体的な志望動機について書きます。

【志望動機例1】経理部の仕事を通じて経営に興味を持ったことをアピール!

経理部で働いていると会社の動きが丸見えになります。
予算編成から決算まで見ていると、「この企画は投資をかけすぎだな。」とか「この収支計画は無理がある。こんなに売上はいかない。」など読めるようになります。
そして、「自分だったらこうするのに…」と経営側に回りたいと考えるようになります。

「私は経理部でお金の動きを見続けてきました。予算編成や決算数値の分析を通じて会社経営の一部を担い、より深く経営に携われる経営企画部の仕事がしたいと考えました。」

この志望動機は、さりげなく経理部の仕事が既に経営企画部に直結し、戦力となることをアピールできています。
経営企画部を目指すストーリーとしてもスムーズです。
ここにより詳しいエピソードなどを盛り込むことができればなお良いでしょう。

【志望動機例2】経理の仕事を通じ経営に関する勉強をはじめたことをアピール!

ただ経理のスペシャリストというだけでは経営企画部の仕事は務まりません。
経営企画部では財務・会計の他にも組織編成、労務、法務、システム、運営など総合的な経営知識やスキルが必要とされます。
経理部出身者は財務・会計に強いのはかなり有利ですが、その他の分野は得意でない人は多いでしょう。そこで、こんな志望動機はどうでしょうか。

「私は長年経理の仕事をしています。会計処理や税金計算には自信がありますが、予算編成や投資案を作成する際には知識不足を痛感しました。そこで、ビジネススキルを総合的に学べる中小企業診断士の資格勉強をはじめました。勉強していくうちに、経営企画という仕事に興味を持ちました。」

きちんと自分の弱点を認識し、克服に向けた行動として中小企業診断士などの資格勉強をはじめたというのは転職面接でも好印象でしょう。
課題抽出と改善策立案は経営企画部の仕事のキホンですから。
様々な資格がある中でも経営企画部に転職したい人に最もオススメかのが中小企業診断士です。

経営企画部の転職に役立つ中小企業診断士は「勉強中」でもアピールできる?

先述した志望動機例では、中小企業診断士「勉強中」と書きましたが、「勉強中」でも充分評価に値すると思います。
経営企画部の仕事は中小企業診断士などの資格があれば役立ちますが、勉強中でも仕事が制限されるわけではありません。

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【志望動機例3】元々経理部で働いていたことは経営企画部で働く為の修行だとアピール!

新卒でいきなり経営企画部配属になるのは相当稀です。20代の若手でも珍しく、ある程度他の部署で経験を積み結果を残してから経営企画部に栄転するケースが多いです。
元々経営企画部で働くことが夢だったが若手では難しく、経理部でお金の流れを学んでから経営企画部に転職しようというキャリアビジョンだったというのはどうでしょう。

「私は元々経営企画部志望でした。大学では経営学を学び、社会人になったら経営企画部で働くことを考えていましたが、経営企画部で働く為には財務や会計の勉強が必要と教わり経理部に異動願を出しました。3年間の経理部経験を積んだ今、決算数値を読み解ける強みを活かして経営企画部に転職したいと考えました。」

大学が経営学部であればストーリーとしては完璧ですが、その他の学部でも成立するでしょう。

【志望動機例4】将来起業する為に経営企画部で働きたいとアピール!

リスクはありますが、起業を見据えて経営企画部に転職したいという志望動機もひとつです。
経営企画部で働く人は少なからずこういったマインドも必要です。
自らが起業したくてその修行の為に働く人は普通のビジネスマンより遥かに向上心が高く研究熱心の為、会社を変えてくれる存在になることを期待されるかもしれません。

「私の夢は会社を作ることです。しかし私にはまだその力がありません。起業に必要なお金の知識を学ぶ為に現職では経理部で働いております。次のステップとして、より経営に深く携われる経営企画部に転職し結果を残してから起業の夢を叶えたいと思っています。」

ただし、多くの会社は採用した人には長く働いてもらいたい為、企業願望を伝えるのが嫌がられるケースもあります。
採用される可能性があるのはベンチャーマインドが高い会社で、社長が創業者の会社です。社長自身もベンチャーマインドを持っているので起業願望がある人を応援したくなるでしょう。
起業願望を志望動機にするかどうかは転職先の会社をよく見極めて判断しましょう。

何故今の会社の経営企画部でなく転職した?

意地悪ですが、何故今の会社の経営企画部に異動しないのかを聞いてくる面接官もいるでしょう。ここを上手く志望動機に盛り込みましょう。
実際は経営企画部に異動したいけど実現できずに転職活動をしている人も多いでしょう。

・経営企画部のポストがあかないから。
・経理部の上司が出させてくれないから。
・経営企画部は転職でしか採用されないから。
・経営企画部は今の年齢では入れないから。
・そもそも経営企画部がないから。
・現職以上に転職先の事業内容に魅力を感じているから。

すべてあり得る話です。しかも、他社の経営企画部への異動要件など知る由もありません。
面接官に質問をされたときには落ち着いて回答できるよう準備しておきましょう。経営企画部の実務でも社長や役員から何を質問されても答えられるように準備しておくのはキホンです。

【さいごに】志望動機例はあくまでサンプル。自分なりの想いを伝えましょう。

ここで紹介した志望動機例に、自分が何故経理の仕事から経営企画部に転職しようと考えたのか具体的エピソードを伝えましょう。

また、転職先の会社についてもしっかりと調べておきましょう。
経営企画部は会社について研究し課題や解決策が求められます。
経理部出身ということで、必ずIRやプレスリリースはチェックし、自分なりの考えが伝えられるようにしましょう。
(ライター:Kitagawa Mai)