BATICコラム

【経理】簿記2級とBATIC、ダブルライセンスのメリット

【経理】簿記2級とBATIC、ダブルライセンスのメリット

経理の資格の王道と言えば日商簿記検定。
その圧倒的知名度から世間の評価も高く、経理の就職・転職・異動にも大いに活きる資格です。
一般的に日商簿記は2級からが評価対象となりやすいです。

しかし、日商簿記2級を取ったからといって経理の転職に有利になるとは言えません。
何故なら、簿記2級レベルは経理マンなら最低知っておきたいスタンダード資格に過ぎない為、転職市場では簿記2級資格取得者は山程います。
簿記2級だけでは強みを出せず、印象のない人材です。

そこでダブルライセンス取得として、これからの時代にオススメなのは断然BATICです。
BATIC(バティック)は国際会計検定。言わば、英語版簿記検定。
当記事では簿記2級とBATICのダブルライセンスメリットについてお話します。

【はじめに】BATICはスコア制!ランク付与される試験

BATICは1000点満点のスコア制試験。TOEICの簿記版に近いですね。
つまり、BATICに合格・不合格は存在しません。

ただし、スコアによって4つのランクを付与されます。

■BATICスコア別のランク
200~319点:Bookkeeper(ブックキーパー)
320~699点:Accountant(アカウンタント)
700~879点:Accounting Manager(アカウンティングマネージャー)
880~1000点:Controller(コントローラー)

最上位のコントローラーは「経理部長」。
次点のアカウンティングマネージャーは「経理課長」です。
日商簿記2級にプラスして、BATICコントローラーもしくはアカウンティングマネージャーを取得することでダブルライセンス効果を発揮できます。

取得順序としては、日商簿記2級に合格してからBATICにチャレンジすることがオススメです。
まずは日本語で会計知識を身につけるほうがスムーズです。BATICのテキストも簿記知識がある前提で、日本の会計と国際会計基準の違いを説明することが多いのでいきなりBATIC受験は割と無謀です。

ここからは具体的なダブルライセンスのメリットについてお伝えします。

経理のエキスパートとして活躍できる

ダブルライセンスのメリットとして資格の相乗効果で能力をアピールできることが挙げられます。
簿記2級とBATICはどちらも会計資格。
ベースの簿記論を理解しつつも、国内取引も国際取引も両方に強い経理マンとして活躍できます。

どちらも会計を極める資格なのでキャリア形成にブレがありません。
ダブルライセンスにより経理エキスパートとしての説得力が高まります。

個性をアピール!ダブルライセンスで転職に有利になる

日商簿記2級は経理の転職市場でも評価されますが、ありふれています。
特に個性は感じられません。

BATICはまだまだマイナー資格で、保有者も少ないです。
それだけに「国際会計ができる経理マン」として転職でも強みをアピールできます。
これがBATICだけ取得していてもNGです。
「BATICはスゴイかもしれないけど、ベースの簿記はきちんと理解しているのかな…」
面接官を不安にさせてしまいます。

転職で簿記とBATICのダブルライセンスをアピールするなら、ストーリーをつくりましょう。

「私は簿記2級を取得して経理業務をしてきました。最近になって海外との取引が多くなり、勉強不足を感じてBATICにもチャレンジしました。」

自己満足ではなく、仕事上の課題解決の為にBATICにチャレンジしたというストーリーは素敵です。

日本の会計と国際会計の違いを理解できる

グローバル化に向けて、多くの大企業が国際財務報告基準IFRS(イファース)を導入しています。
今後はさらに普及が予測され、ベテラン経理マンでもわからない国際会計の対応が必要となります。BATICは重宝される資格となります。

かといって、BATICで国際会計のみ知っていても無意味です。
日本の会計ルールから国際会計ルールへの切替を行うにあたり、現状の日本国内の簿記を知っていないといけません。

簿記2級とBATICのダブルライセンスにより、国際会計導入に活躍できる人材になります。

ダブルライセンスに費やす勉強時間が少なくて済む

ダブルライセンス資格取得が大変なのは多方面の知識習得が必要となる為、勉強時間がかなり多くなってしまうことです。
たとえば日商簿記とダブルライセンスで宅建士を取ろうとすれば、出題範囲が全く被りません。試験問題の解き方も全く異なるので頭の切替が大変です。

簿記とBATICの論点は似ています。簿記をそのまま英訳するだけで解けるBATICの問題もあります。相乗効果でスコアアップが狙えるのも大きいです。

BATICコントローラーを全くの簿記初学者が取得しようと思えば200時間程度勉強時間がかかるでしょう。
日商簿記2級合格者なら100時間程度で合格も可能です。

オススメは、日商簿記2級取得→BATICアカウンティングマネージャー取得→BATICコントローラー取得→日商簿記1級取得と資格をアップデートしていくことです。
日商簿記1級プラスBATICコントローラーのダブルライセンスはかなりのハイレベルで魅力的ですね。

資格取得コストも少なくて済む

経理マンとして考えなくてはならないのは、会社だけでなく自分自身にかけるコストも重要です。

資格取得は意外にお金が掛かります。資格学校受講料、セミナー受講料、教材費、試験受験費用、交通費、資格認定料、更新費などバカになりません。

BATICのサブジェクト1,2ダブルコースを大手資格学校のTACや大原で受講すると10万円程度かかります。
しかし、日商簿記2級知識があればサブジェクト1だけ独学ということもできます。
サブジェクト1独学・サブジェクト2資格学校受講なら2万円ほど安く受講することができます。

【まとめ】メリットあるダブルライセンス取得がオススメ

世の中には資格は沢山あります。1つの資格だけでは強みを表現しにくくても、ダブルライセンスによってその強みを強調することができます。

日商簿記2級とBATICのダブルライセンスは資格学校でも強く推奨されています。
是非チャレンジしてみましょう!
(ライター:Nakanishi Hajime)