BATICという資格を知っていますか?おそらく知名度はかなり低いこのBATICは一言で言うなら「英語版簿記検定」です。
英語力と会計力をダブルで証明できる素敵な資格ですが、気になるのはその知名度。
せっかく頑張って資格取得しても誰も知らなければただの自己満足で終わってしまいます。
当記事ライターは日本企業の現役経理マン。BATIC最上位ランクのコントローラーを取得しています。
しかし、経理部内では他にBATIC有資格者はおらず(申告していないだけかも)、特に会話でその名が出たこともありません。
もちろん、社内でBATICの資格取得推奨も資格表彰もありません。(もちろん、簿記検定は推奨も表彰もされます)
私自身が個人的にBATICの知名度についてヒアリングアンケートしてみた結果をまとめます。
これからBATIC受験を考えている人は参考にしてみてください。
Contents
そもそも私自身、BATICを知らなかった。
ヒアリングアンケート結果の前提として、私自身も受験前はBATICという資格を知りませんでした。
BATICを取得しようと思ったキッカケは以下のような感じ。
・何か会計資格を取りたいが日商簿記1級は難しすぎてちょうど良い資格が欲しかったから。(日商簿記2級は取得済み)
・海外取引が増え、英語の請求書処理が増えた。
・もし将来転職を考えたときに有利になるように資格が欲しいから。
・外資系企業で働く経理職の友人からBATICを教えてもらったから。
・友人のキャリアアドバイザーに聞いても「経理にも英語力が求められる」と聞いたから。
必要に駆られてBATIC受験を考えたワケではなく、何となくゆるい感じで受験を決めました。
一応経理マンなので何となくBATICの資格名は聞いたことがあったような気がしましたが、深くは知りませんでした。
「BATICを知らないなんて自分だけなのか?」そう思ってヒアリング開始してみました。
とりあえず家族と親しい友人にBATICを知ってるか聞いてみた。
せっかく資格試験を受けるので家族と親しい友人の計6人からBATICを知ってるか聞いてみました。
知っている・知らない以前の問題でした。BATICを「バティック」と正しく読める人はいませんでした。
「べーティック」、「バチック」、「バトイック」などいろんな間違いをされました。
私の家族と親しい友人6名の中でBATIC知名度はゼロ。全滅でした。
ちなみにBATICでは国際会計基準であるIFRS(イファース)を採用した試験です。
こちらの読み方も見事に全滅。「アイエフアールエス」、「イフラス」、「イフアールズ」…
たしかにイファースの読み方は難しいです。(もちろん私自身も最初は読めませんでした)
BATICは知名度の前に、読み方すらわからない資格なのです…
同じ会社の経理の先輩なら当然知ってる?
経理歴10年以上のベテラン経理マンの先輩社員にもBAtICについて聞いてみました。
この先輩は8年前に日商簿記2級は取得済でそこから経理の勉強はしているものの、現在は特に資格取得はしていない様子。
まさかの経理の道10年以上の大先輩ですらBATICを知りませんでした。
これはショッキングすぎるBATICの知名度の低さ…ちなみに国際会計基準のIFRSについては知っていました。
名前は知っている程度で、国際会計基準と日本会計基準の具体的な違いまではよくわかっていないようでした。
人材会社勤務の友人にBATICについて聞いてみた。
今度は大手人材会社に勤める友人にBATICについて聞きました。
転職者と企業を繋ぐ人材会社であれば資格の知識も人一倍強いはず。
かなり期待していたのですが、残念ながらBATICが英文会計の資格ということは理解していませんでした。
ちなみに簿記資格に関しては知識も深く、簿記の世間的なニーズや各級ごとの難易度についても理解していました。
(その友人自体は簿記有資格者ではありませんが、仕事上資格知識は自然とタカマル用です)
人材会社勤務といえど、BATICの知名度がないことには正直失望しました。
そして、超メジャー会計資格である簿記検定とBATICの知名度の差は言うまでもありません。
外資系企業経理で働く友人ならBATICは常識?
私の友人で某有名外資系企業の経理マンとして働いているエリートがいます。
バリバリの経理経験者であり、さらに英語力もピカイチの彼。これは期待できそうなので、さっそくBATICを知ってるか聞いてみました。
彼はBATICを知ってるどころか資格保有者でした。
さらに話を聞くと、米国公認会計士のUSCPAのウォーミングアップとして受験したそうです。
(BATICコントローラーレベルの彼でもUSCPAはなかなか合格できず今も奮闘中とのことです)
外資系企業経理として何度か転職を経験している彼曰く、BATICのコントローラーレベルなら転職での評価もかなり高いとのこと。
また、外資系企業では日本の簿記や会計士よりも国際会計基準のほうが重要なのだそうです。
経理業務で使う英語力の証明にもなるとのことで転職評価も上がるとのことです。
これはBATICを志す人からすると嬉しい声ですね。外資系企業の経理に転職したいならBATICはオススメです。
キャリアアドバイザーはさすがにBATIC知ってる?
数多くの履歴書を見ているキャリアアドバイザーならBATICを知らないはずがない!
経理、財務などをはじめ管理部門専門の転職エージェントに登録して面談を受けました。
面談の中では経理の実務経験の話や学歴なども聞かれる中、やはり資格の話にもなりました。するとキャリアアドバイザーのほうからこんな質問がありました。
キャリアアドバイザー曰く、やはりこのご時世は経理職であっても英語力を問われるようです。経理の転職でも国際会計のチカラは試されます。経理、財務専門のキャリアアドバイザーはさすがにBATICを知っていて良かったです。
資格のことなら知り尽くしている!資格マニアの知人に聞いてみた。
そういえば!私には資格マニアの知人がいました。
それは、某資格セミナーで数年前に一度だけお会いし、現在はSNSだけで繋がっています。
SNSのメッセージでBATICを受けようとしていることを伝えてみました。
なんと、ここでBATIC取得者に出会いました。
さすがは資格マニア…ちなみにその方は経理職ではありませんし外資系企業勤務でもありません。それなのにBATICアカウンティングマネージャーレベル取得するとは…資格マニアの勉強根性、恐るべし。
たぶんその資格マニアさんにとってBATICは何十個も持つ資格のうちのひとつに過ぎないと思いますが…
さすがに資格マニアからは知名度があってひと安心です。
知名度が低いということはBATICの世間的評価も低い?
残念ながらそういうことでしょう。
公認会計士、税理士、日商簿記1級というと世間的にも「すごい資格!」というイメージがあります。
BATICは最高グレードのコントローラーレベルといえど、世間にその凄さは伝わりません。
しかし、転職市場では評価される可能性があります。外資系企業の経理ではBATICは知名度があります。
会計力と英語力をダブルでアピールすることができるでしょう。
また、BATICの認知度は徐々に高くなっていくことも予測されます。その理由としてはグローバル化に伴い、国際会計基準であるIFRS導入企業は確実に増えることが予測されます。当然にしてBATIC高スコアの人材は重宝されるでしょう。
BATICが転職で評価されるスコアは?
BATICは他の検定試験と異なり、合否判定はないスコア制の試験です。
TOEICのようなイメージです。もちろん、低スコアだと転職での評価もありません。
TOEICと異なるのは、BATICはスコアによってグレードが付与されます。
200~319点:Bookkeeper(ブックキーパー)
320~699点:Accountant(アカウンタント)
700~879点:Accounting Manager(アカウンティングマネージャー)
880~1000点:Controller(コントローラー)
これをわかりやすく日商簿記検定に置き換えると…
ブックキーパーは簿記初級、アカウンタントは簿記3級、アカウンティングマネージャーは簿記2級。そして最高位のコントローラーは簿記1.5級程度。これらの会計レベル知識にプラスして英語力や国際会計基準が問われます。
転職で評価に値するのは上位2グレードであるコントローラーレベル、アカウンティングマネージャーレベルでしょう。
せっかくBATICにチャレンジするならここを狙っていきましょう。
【結果】BATIC知名度は27%
当アンケートの結果では11人中3人はBATICを知っていました。
残りのうち2人はちょっと聞いたことのある程度、6人は全く聞いたことがないという結果でした。
今回の調査結果から見たBATICの知名度についてまとめます。
・現在、BATICの知名度はかなり低い
・BATICを正しく読める人は少ない
・知名度の低さから世間的評価は低い
・外資系経理の転職には有利
・BATICの知名度は今後向上可能性あり
あくまでBATIC知名度27%は私の周りの母数11人のアンケートに過ぎませんが、だいたいこんなものではないでしょうか。
将来性を考えれば、知名度が低い今からBATICの資格取得を目指すのは賢い選択だと思います。
ヒアリングアンケートにご協力いただきました皆様、ありがとうございました。
(ライター:Nakanishi Hajime)