BATICという会計資格について質問です。
経理職としてのキャリアアップの為に、現在受験を検討中です。テキストや問題集を解いているのですがさっぱり理解できません。コントローラーレベルになるのは難しいですか？合格の為の効率良い勉強方法があれば教えてください。
キャリアアップしたい経理職から注目が高まりつつあるBATICという資格についての質問について、BATICコントローラー取得の当サイトライターが回答します。
BATICとは国際会計検定でスコア別にランク付与されます。コントローラーはその最上位ランクで受験者全体の5%以下しかランク付与されない難関資格です。私自身、経理実務経験はあるものの初めてBATICのテキストを開いたときには難しすぎて吐き気すら覚えたものです。
でも安心してください。BATICも他の資格と同様合格する為のテクニック（勉強方法）が存在します。コントローラー合格近道テクニックをまとめます。
Contents
英単語は「あえて覚えない」こと！
BATICで出題されるすべての英語の意味を理解する必要は一切ありません。
繰り返し問題を解いて、よく出る英単語だけを覚えること。すべて覚えるのは非効率です。また、英単語を辞書やネット検索してもニュアンスは理解できますが会計独特の言い回しを理解しないと意味がありません。とにかく問題を解くことです。
BATIC本試験は時間との勝負です。時間配分の視点から考えてもすべての問題文を細かく読むのはナンセンス。必要な英単語だけを抑えておきましょう。
英単語がわからないモヤモヤをいかに無視して問題を繰り返せるかがコントローラー合格への近道です。
BATIC英単語帳は役に立たない？
私の経験上、あまり約には立ちません。
実は最初はBATIC英単語を単語帳にまとめて通勤電車などで読んでいたのですが、単語だけ覚えようとしてもなかなか頭に入りません。
BATICは論点が類似しているので問題文の流れの中で英単語を覚えたほうが合格への近道になります。
単語帳などを作って暗記している暇があったら問題を解きましょう。英単語は自然とあとから頭に入ってきます。
回答を予測するクセをつけること！
BATICのSubject2では「回答予測力」が問われます。
他の資格試験も同様のテクニックがありますが問題文より先に設問を見ておくのはBATICでは特に有効です。何度も言うようにBATICは論点が類似しているので、設問を先に見ておけば問題文で何を書いてくるのかが予測することができます。（逆に想像がつかなければまだまだ過去問の繰り返しが足りません）
ある程度、「何を問われているか」が予測できた状態で問題文を読むことで必要な数字と英文だけを頭の中に記憶することができます。逆にすべての問題文を頭に入れようとすればパンクしてしまいます。
Subject2の1問目はサービス問題
ほとんど毎回論点は同じ超サービス問題です。
BATIC試験Subject2一問目はIFRSの概念を問う問題です。引っ掛けをする気もなく、シンプルな問題を毎回繰り返してくる傾向にあります。
「Relevance」と「Faithful representation」を選択すれば間違いありません。深く考えず、時間もかけずに回答しましょう。
確定給付型年金制度は必ず抑えること！
特にパターン化されているのが確定給付型年金制度です。
かなり難しい論点ながら、出題ポイントは全く同じ。計算方法は暗記してしまえば必ず得点できます。
抑えておきたい計算式は以下のとおり。
・DBL
・Net interest
・Profit and loss
・Other conprehensive income
理由は深く考えずに丸暗記してしまいましょう。BATIC本試験でも毎回3問程度は確実に出題されます。
ココを捨て問として落としてしまうと21点もロスします。コントローラー合格は一気に厳しくなります。
61問目は全く同じ！確実に満点を取れる！
損益計算書の記述式計算問題です。
カンタンではありませんが、パターン化されています。
何がOCIで何がリサイクリングされるのかを抑えておきましょう。繰り返し過去問を解くことで確実に得点力が高まります。(逆に初めてチャンレジするときは殆ど解けなくて当たり前だと割り切りましょう）
なんと61問目を正解するだけで45点も得点できます。BATICコントローラーを目指すなら絶対に押さえなくてはならない論点です。
通勤・通学時間で問題を解くこと！
これには2つの意味合いがあります。
まずひとつは勉強時間の捻出です。BATICコントローラー合格ともなれば500時間程度の勉強時間が必要であり、忙しいビジネスマンにとっては時間が足りません。BATICは計算問題が大半の試験ですが、それほど難しい計算問題はなくスマホの電卓でも計算可能（記述式問題は除く）です。勉強デスクに座るまでの時間は割けなくても毎日の通勤・通学時間を使って勉強時間を捻出することが可能です。
もうひとつは時間制限がある中で回答を導く練習になります！
時間を気にせずじっくり問題を解くのも大切ですが本試験ではそうもいきません。
次の駅までに絶対解く！など時間制限がある方が本試験に向けた回答力が上がります。通勤・通学電車内で難問回答できるかチャレンジしてみるのもオススメの勉強方法です。
ケアレスミスをなくす為には？
数字がない英文のみのブロックも「軽く」目を通しましょう。
BATICコントローラーレベルは8割の正答率が必要です。ケアレスミスは命取りです。
ついつい見落としがちなのは、数字の入っていない文章ブロック。大抵は解答とは無関係な文章なことが多いのですが、たまに重要なことが書かれています。
アカウンティングマネージャーレベルであれば見落としても問題ありませんが、コントローラーレベルだと小さなミス1つが合否を分けます。先入観は捨てて、数字のない文章もサラッとだけ目を通しましょう。決して深く読み込む必要はありません。
BATIC本試験当日はとにかく解答欄を埋めること！
自信のない問題は計算途中の数値でも良いので埋めましょう。
特に記述式問題は配点が不明です。
設問毎の総得点は明記されますが、内訳は不明です。単純な正答率よりも高く配点を貰えているとの声が多いです。つまり正答ではなくとも計算途中経過で出る数字も”△”で部分点を貰えている可能性が高いのです。
コントローラー合格率調整の為、記述問題の採点基準で多少の調整を加えている可能性があります。空欄では点数をプレゼントしようもありませんので、何とか解答欄を埋めていれば点数を貰える可能性も高いです。
私自身2回のBATIC試験を経験していますが、時間が足りない状態で記述式問題にチャレンジすると焦りでミスを連発してしまいます。前半の選択式問題で慎重になりすぎて時間配分を間違えるのは命取りです。
解答順序は選択式から？記述式から？
オススメは選択式問題から順番に解答することです。
特に選択式問題の前半は難易度が低い問題が多いので、さほど時間を取られる心配はありません。
選択式問題は早めに終わらせて気持ちに余裕を持って記述式問題に臨めればコントローラー合格は見えてきます。
選択式は印をつけながら進むこと！
絶対正解する自信がある問題は”◎”、そこそこ自信がある問題は”○”、あまり自信がない問題は”△”と問題文に印をつけながら進みます。
こうすることによって、問題を解き終わったあとに時間が余れば再確認ができます。まずは”△”を解き直してみましょう。冷静に解けば違う答えが出るかもしれません。”○”はそのあとです。”◎”は基本的に再確認する必要はありません。
記述式でどうしても答えがわからなければ「4」を選ぶこと！
全く歯が立たず、どれだけ考えても答えを絞ることすらできない問題。それはもう頑張っても解けません。
どれだけ勉強しても一回の試験で一問くらいはこんな問題があります。（BATICテキストの重箱の隅をつつくような論点です）
コントローラーを目指す人が全く歯が立たないレベルの問題は他の受験者もわかっていないはずです。正答率もかなり低いでしょう。わからない問題に時間を割くのはナンセンスです。
こんなパターンのときに何故”4″を選ぶのか。それは、BATICのような選択式の5択試験では”4″の正答率が高いからです。
これは私が資格学校の講師に聞いたテクニックです。試験問題を作成する側からすれば”1″は最も正答にしにくいそうです。その理由は、作成者の心理的にも”1″を正答にすればそのあとの”2″-“5″の選択肢は読まれない可能性がある為、極力つけたくないようです。
BATICコントローラー合格テクニックまとめ
さいごに紹介したテクニックについてまとめます。BATIC試験直前にも読み直しておきましょう。
・英単語だけを覚えない
・単語帳は作らない
・毎回出る論点は丸暗記
・通勤・通学時間で過去問を解く
・とにかく解答欄を埋めるクセをつける
・選択式は印をつけながら進む
・どうしても答えを絞れなければ”4″をチョイス
これらのテクニックを抑えて勉強すれば、BATICコントローラーは決して難しい資格ではありません。
経理職や財務職としてキャリアアップを目指すなら是非チャレンジしてみましょう。
(ライター:Nakanishi Hajime)
