大企業の子会社であり、社員数500名の中小企業から大企業に転職したAさん。
「会社のエース」として高い評価を貰っており、早くして昇進もして年上の部下も複数人持っていた。
経営企画という職種柄からも社長、役員からの信頼も厚く、他部署とも多くコミュニケーションを取っていた。
しかしながら、Aさんには大きな不満があった。
中小企業であるが故に年収はイマイチ。親会社の給料に永遠に追いつくことはない。
子会社は親会社より3割以上年収テーブルが低い。
Aさんが勤めていた子会社でどんなに頑張って部長に昇進してもやっと年収1,000万円超えるか超えないか程度。
一方、誰もが名を知る親会社の社員の賃金テーブルであれば、非管理職の主任級でも年収1,000万円を超える。
さらに、親会社の大企業の社員が出向で来ることもあり重役ポジションは親会社出向社員で埋まってしまう。
子会社社員は親会社の言いなりであり、経営企画社員は親会社社員の横暴とも取れる無理で短納期な指示も受け入れざるを得ない。
親会社の大企業社員というだけで、自分よりも年下だったり実力があるかもよくわからない社員が、
圧倒的に高い年収をもらい、社会的地位が高く、世間に影響を与える仕事をしている。
「このまま中小企業の子会社勤務で良いのだろうか。きっと今の自分なら大企業に転職も可能なのではないか」
一念発起して大企業への転職活動をスタートしたAさん。
経営企画としてのキャリア、日商簿記1級、中小企業でのプロジェクトリーダーとしての活躍等が転職市場でも高い評価を受け、
転職に大きく苦しむことはなく見事に大企業から内定を貰えた。
世間の誰もが知る大企業。年収は非管理職であるものの努めていた中小企業の3割アップ。いわゆる「エリート」である。
■転職前
【業界】サービス
【職種】経営企画
【社員数】500名
【年収】600万円
【役職】マネージャー(管理職)
■転職後
【業界】メーカー
【職種】経営企画
【社員数】20,000名
【年収】900万円
【役職】なし(非管理職)
Aさんは内定をもらった瞬間、嬉しさばかりで内定承諾に迷いはなかった。
「やはり自分は中小企業止まりの人間ではなかった。これまでの頑張りが評価されたのだ。」
と前向きであった。
勿論、中小企業での上司・同僚からは引き止めにあった。必要とされているのもよくわかって嬉しくもあった。
とはいえ、「大企業に転職したほうが良いに決まっている。俺は大企業でも絶対に活躍できる。」と信じて疑わなかった。
大企業に転職して1年。Aさんは転職を後悔していると話してくれた。
その理由は、転職前には見えていなかった納得の理由が沢山隠れていた。
Aさんのように中小企業から大企業に転職を考えている人は、後悔しないように是非当記事を参考にして欲しい。
それでは、Aさんが大企業に転職して後悔した理由について書き記す。
Contents
大企業は中小企業よりもビジネスレベルが高い
「え?この人こんなに仕事できるのに役職ないの!?」みたいな人がウジャウジャいるとAさんは話す。
転職前の中小企業であれば、課長クラス。いや、部長クラスの知識やビジネスレベルのある人が役職なしだったりする。
大企業はビジネスの上流工程にいることが多く、子会社・委託先に対してのリーダー役になることが多いことからもプロジェクトマネジメントやファシリテーターとしてのスキルが高くなる。
また、社内教育もしっかりしていることから大企業の社員は必然的にビジネスレベルが高い傾向にある。
当たり前のようにビジネスレベルが高い大企業の中に突如転職すると、自分のレベルの低さが顕著になる。
Aさんは転職してすぐに、周囲のビジネスレベルの高さがわかったと言う。
このハイレベルな世界の中で結果を残し、周囲よりも優秀な評価を得て昇進するのは無理難題と落ち込んだ。
早速「自分は中小企業で活躍できていたことで良い気になっていた。大企業に転職したのが正しい選択だったのか…」と落胆し、後悔したと話してくれた。
大企業は退職者が少ない!新卒入社の絆が強い
大企業は「新卒一括採用」で入社した社員がそのまま定年まで働くケースが多い。
そのため「同期の結束力」が非常に強いのが特徴であり、愛社精神も高い。
Aさんは中途採用のため、この強固なネットワークの外側に置かれた感覚を覚えた。
あからさまに部外者扱いされるようなことはないが、新卒入社組のような絆は作れない。
社内の飲み会でも「あのときのうちの会社は…」とか「俺等が新卒のときのあの先輩が…」みたいな会話で盛り上がっている。
「仕事はできても、人間関係で不利になる」これも大企業に転職した人がよく語る後悔ポイントである。
大企業は学歴社会文化が残っている
Aさんは国立大学卒だったが、周囲には東大・京大・早慶出身者が多かった。
大企業の中途採用では実力が重視されると信じていたが、実際は学歴フィルターが昇進にも影響する場面が少なくなかった。
「やはり大企業は学歴社会が色濃く残っている」とAさんは語る。
新卒採用では有名高学歴企業を採用する傾向の強い大企業は、入社して10年・20年経っても同じ大学のつながりも意識する。
無名大学では肩身の狭い思いをしてしまう…
中途採用が少ない大企業。教育に慣れていない
大企業は基本的に「新卒採用・長期育成」を前提にした組織設計である。
そのため、中途社員の受け入れ体制が整っていないケースが多い。
Aさんも「放置される」「誰も助けてくれない」という状況に苦しんだ。
これも「大企業 転職 失敗 体験談」でよく語られるエピソードだ。
大企業は残業時間が多く、責任も重い
中小企業時代は忙しい時期でも月40時間程度だったが、大企業では毎月80時間を超えることもあった。
「大企業=ホワイト」というイメージで入社したが、実際は大規模プロジェクトに振り回され、深夜残業が常態化していた。
Aさんは「高年収と引き換えに自由な時間を失った」と語る。
もちろん、大企業はコンプライアンス意識が強い為にサービス残業には厳しいし、法律違反は絶対にさせない。
逆に言えば法律違反ギリギリまで残業させるような部署も多くあるという。
まとめと転職を考える人へのアドバイス
Aさんの体験談から見えてくるのは、「大企業に転職すれば全て解決する」という幻想は危険だということ。
・大企業はビジネスレベルが高い
・学歴社会の文化が残る
・新卒組の結束が強く、中途は孤独になりやすい
・残業時間は必ずしも少なくない
これらは「大企業 転職 後悔 理由」として多くの人が直面する壁である。
一方で、年収アップや社会的信用、スケールの大きな仕事ができるのは大企業ならではのメリット。
結局は「自分が何を優先するか」で判断するしかない。
大企業は世間的な評判も良くホワイトなイメージが先行するが、実態はなかなか厳しいもの。
高年収を得るということは、それだけ厳しい努力もしなくてはならないというものだ。