最近では、スタートアップ企業でも「CFO補佐(CFOアシスタント)」というポジションが注目されています。 経理や財務出身の人が多いですが、その実態は「単なるサポート」ではなく、経営と現場をつなぐ超実践型のポジションです。
この記事では、大手企業の経理経験者がスタートアップのCFO補佐として働いたリアルな体験を交えながら、具体的な業務内容やキャリア価値の違いを解説します。
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CFO補佐とは?経営と現場の“橋渡し役”
スタートアップのCFO補佐は、CFOの右腕として財務・会計・資金調達・管理体制の整備を幅広く担当します。 とはいえ、大企業のように部門が細分化されているわけではないため、経理・財務・労務・法務・総務を一手に担うことも少なくありません。
具体的な業務例:
- 月次・四半期・年次決算の取りまとめ
- 資金繰り表の作成、銀行対応
- 投資家向け資料(IR資料)の作成
- 株主総会・取締役会の運営補助
- 内部統制の整備、会計監査対応
まさに“なんでも屋”のような立ち位置で、スピード感ある環境で経営判断を支えるのがCFO補佐の役割です。
大手経理との違い①:正解がない仕事を自分で作る
大企業の経理では「マニュアル通り」「システム通り」に進める業務が多いですが、スタートアップではそうはいきません。 経理フローや勘定科目の設計から自分で構築しなければならず、“正解を作る仕事”が求められます。
筆者も前職(上場企業の経理)から転職した当初、最初の仕訳を切るにも「勘定科目をどれにすべきか」から悩みました。 ただ、それを自分で考え、ルール化してチームに浸透させることで、“会社を育てている実感”が得られるのです。
大手経理との違い②:経営会議に参加できる距離感
CFO補佐は、CFOやCEOと毎日のようにディスカッションします。 資金繰りの見通しや採用計画など、経営判断に直結する数字を扱う立場です。
「大手では数値報告で終わっていたが、スタートアップでは意思決定に関われる」 そんな実感を持てるのがこのポジションの醍醐味です。
大手経理との違い③:労働環境は過酷。でも成長スピードは段違い
一方で、リソース不足による激務は避けられません。 筆者も入社当初は月100時間近い残業を経験しました。 しかし、その分「会計・税務・資金・法務・労務」など幅広いスキルが身につき、1年で大企業の3年分は成長したと感じます。
CFO補佐に向いている人の特徴
- スピード感と不確実性を楽しめる人
- 経営数字に興味があり、事業理解を深めたい人
- 「決められた業務」より「仕組みを作る仕事」にやりがいを感じる人
逆に「安定・ワークライフバランス重視」の人には向きません。 特に、業務範囲が広すぎることにストレスを感じるタイプは注意が必要です。
まとめ:CFO補佐は経営の最前線でスキルを磨ける最高の環境
スタートアップのCFO補佐は、激務で不安定な面もありますが、数字で経営を動かす経験ができる貴重なポジションです。 「経理としてキャリアの幅を広げたい」「将来CFOを目指したい」という方には、非常に価値の高い環境と言えるでしょう。

