経営企画コラム

経営企画に異動したら、英語できるだけで“即戦力扱い”されてしまった話

経営企画に異動したら、英語できるだけで“即戦力扱い”されてしまった話

経営企画に異動したばかりの頃、私はまだ右も左もわからない状態だった。

財務モデル?
中期経営計画?
役員向け資料の“空気感”?

正直、どれも自信はなかった。

それなのに――
英語がほんの少しできる、というだけで「即戦力扱い」されたのだ。

これは、経営企画に異動して最初に味わった、ちょっと苦くて笑えない体験談である。

経理から経営企画に異動。期待と不安が半々だった

経理から経営企画への異動。
社内ではいわゆる「花形部署」だ。

「これからは全社視点で仕事ができるぞ」
「経営に近い仕事ができるのは楽しみだ」

一方で、不安も大きかった。

  • 会議のレベルが高そう
  • 発言の一つ一つが重そう
  • 社長や役員からのプレッシャーも大きそう
  • “数字が読めるだけ”では通用しなさそう

そんな中で迎えた、経営企画異動初週の出来事だった。

「英語できるんだよね?」の一言から始まった

異動して3日目。経営企画部長から、さらっとこう言われた。

「海外子会社との会議、出てもらえる?」

私は思わず聞き返した。

「え、もうですか?まだ業務も把握できてなくて…」

すると返ってきたのが、この一言。

「大丈夫。英語できるんでしょ?」

――いや、それだけ?しかも、英語に自身があるわけでもないのに…

英語ができる=仕事ができる、ではない

確かに私は、周りより「少しは」英語力があったのは事実

  • TOEICスコアはそこそこ
  • 海外とのメール対応経験あり
  • 英語圏への短期留学経験あり
  • 海外旅行で簡単な英語は話せるレベル
  • 英語の会議もギリギリ聞き取れるレベル

でもそれは、
“英語ができる”だけであって、“経営企画ができる”わけではない。

  • その会議の目的は?
  • どこが論点?
  • 意思決定に何が必要?

正直、そこまで整理できていなかった。
というか、経営企画の仕事がわからなすぎて、英語どころか日本語で話されてもわからない。

それでも、「英語ができる」という理由だけで、
どんどん最前線に放り込まれていく。

海外子会社との会議で痛感した“場違い感”

初めて出た海外子会社とのWeb会議。

  • 流暢に話す現地マネージャー
  • 即断即決する本社上層部
  • 専門用語だらけの議論

私はというと、必死に英語を聞き取りながら、
「そもそも、この議題って何だっけ?」と頭が真っ白。

英語は聞き取れているのに、内容が理解できない。

これが一番ツラかった。

なぜ“英語ができる人”は経営企画で酷使されるのか

後から気づいたが、理由はシンプルだ。

  • 経営企画には英語人材が少ない
  • 海外案件は面倒で敬遠されがち
  • 「誰かやれる人いない?」となりやすい

つまり、英語ができる=希少資源

結果、経験が浅くても、知識が足りなくても、
「とりあえず任せられる人」になってしまう。

戦力扱いされるが、評価は別問題

ここが一番の落とし穴だった。

  • 英語対応は全部任される
  • 会議にも毎回呼ばれる
  • 資料作成も振られる

なのに――評価面談で言われたのは、

「もう少し経営企画としての視点を持ってほしい」

……いや、それを今まさに学んでる途中なんですが。

“便利屋”と“評価される人材”は、必ずしも一致しない。

英語ができる人ほど意識したい立ち回り

この経験から学んだことがある。

  • 英語対応だけに閉じない
  • 議論の背景・目的を必ず確認する
  • 翻訳屋ポジションで満足しない
  • アウトプットに自分の意見を添える

英語はあくまでツール。
経営企画の価値は「何を考え、どう動かすか」だ。

それでも英語力は、間違いなく”大きな武器”になる

誤解してほしくないが、
英語ができること自体は、間違いなく強みだ。

  • 海外案件に関われる
  • 経営層との接点が増える
  • 英語力がある人材を求めるポジションが沢山ありキャリアが広がる
  • 成長スピードは加速する

ただし、
英語“だけ”で評価されるフェーズは短い。

早めに、「英語+経営企画スキル」へ進化する必要がある。

まとめ:英語ができる経営企画は、最初が一番しんどい

経営企画に異動して、英語ができるという理由だけで戦力扱いされる。
そしてそれは、チャンスでもあり、罠でもある。

  • 経験不足のまま前線に出される
  • 期待値だけが先に上がってしまう
  • 評価とのギャップに苦しむ

それでも乗り越えた先には、
他の人にはないキャリアの広がりが待っている。

これから経営企画に異動する人、英語が少しできる人。

最初に潰されないよう、ぜひこの話を“予習”として覚えておいてほしい。