会計資格Q&A

経理で中小企業診断士を取れば役立つ?昇進や評価される?

経理で中小企業診断士を取れば役立つ?昇進や評価される?

私はメーカー経理部門で係長をしています。経理職歴は13年になります。
この度キャリアアップを目指して資格取得を考えております。
日商簿記2級は合格済で、次の資格として日商簿記1級と中小企業診断士で悩んでいます。
難関資格取得ができれば昇進や転職で年収アップしたいと考えています。
経理で中小企業診断士は役立ちますか?

ビジネスマンに人気の中小企業診断士資格。
会計や財務だけでなく、経営学、経済学、法務、運営、システム等のビジネス知識を網羅的に学べる資格。
経理の専門性を高めるには日商簿記1級や税理士のほうが有利に思えますが、経理と中小企業診断士の相性も悪くありません。

経理職の仕事で中小企業診断士は役立つ?

これからの時代、中小企業診断士は大いに役立ちます。

経理は正しい仕訳入力ができるだけでは務まらない時代です。
生き残るためには、決算数値から会社の見通し・戦略立案ができる管理会計スキルが求められます。
その為にはビジネスに関する知識を習得しておくことでリアルな経営判断ができるようになります。

中小企業診断士では多方面の知識を習得し(一次試験)、課題解決策を立案する(二次試験)能力を身につけることができます。
経理マンとしての日々の仕事の視点が変わり、大いに役立つと言えるでしょう。

中小企業診断士を取れば経理管理職に昇進できる?

大きなアピール材料になり得ます。

中小企業診断士は知名度が向上しているので、資格取得したことが公表されれば社内での評価は確実に上がります。

管理職への昇進という面でも、中小企業診断士のように多方面の経営知識は役立ちます。
日商簿記1級や税理士は経理のエキスパートプレイヤーとしては役立ちますが、管理職としてマネジメントをするとなれば役には立ちません。
経理課長、部長などのマネジメント職へ昇進を目指すなら中小企業診断士はオススメです。

中小企業診断士科目の中で経理の仕事に役立つのは?

役立つ順に、財務会計、企業経営理論、経営法務、運営管理です。

財務会計は簿記だけでなく、財務諸表の読み方も学べます。
経理管理職に必要な管理会計スキルアップに繋がります。

企業経営理論では管理職に必要な組織論、経営戦略を学びます。
部下を持ち、リーダーシップを取る上で役立ちます。

経営法務では、管理職に必要なトラブル対応に役立ちます。
経理管理職として正しい選択をするには法律知識は必須です。

運営管理では店舗マネジメントや製造現場について学びます。
店舗や工場を持つ会社の経理管理職を目指すなら知っておくべきでしょう。

経理の転職で中小企業診断士は役立つ?

役立ちますが、日商簿記1級のほうが有利なります。

その理由として、経理職の中途採用募集要件に日商簿記はあっても中小企業診断士の文字はまず見ないからです。
経理の転職目的で資格取得するのであれば日商簿記1級を目指すべきです。

一方、経営企画へキャリアチェンジする手もあります。
経理職経験を活かし、中小企業診断士資格取得することで経営企画へ転職しやすくなります。

【番外編】経理未経験者が中小企業診断士を取れば経理に転職できる?

特に評価されません。

会計実務の基礎を知らない中小企業診断士のような難関資格取得者は「頭でっかち」で扱いにくい人材です。
実務未経験者で経理へ転職を目指すなら中小企業診断士よりも簿記の勉強をしたほうが良いでしょう。
(ライター:Nakanishi Hajime)