経理コラム

「その交際費、本当にOK?」経理が震えるグレー領収書の見分け方

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はじめに:交際費は経理にとって“地雷”の宝庫

経理の仕事で避けて通れないのが交際費精算。 とくに営業部や役員から回ってくる領収書は、見た瞬間「これ、大丈夫かな…?」と胃がキュッと縮むことがあります。 グレーな領収書を誤って処理すると、税務調査で否認され、会社に多額の追徴課税が発生するリスクも。しかもその責任は経理にも及びかねません。
本記事では、実務経験から学んだグレー領収書の見分け方と、経理が守るべきチェックポイントを徹底解説します。

グレー領収書とは?

グレー領収書とは、見た目は一見問題なさそうでも、実際は交際費として処理できない、または税務上否認される可能性が高い領収書のことを指します。 代表的なパターンは以下の通りです。

  • 日付・金額はあるが、用途が不明なもの
  • 参加者や相手先が明確でない会食費
  • 会議費と偽装した実質的な飲み会費用
  • 領収書の発行元が風俗店や高額クラブなど
  • 明らかに私的利用と思われるもの(家族との食事など)

経理が震える瞬間:グレー領収書の実例

①「会議費」名目で深夜2時のバー
役員から「会議費でお願い」と渡された領収書。場所は会員制バー、時間は深夜2時。これ、どう見ても会議じゃないですよね…。税務調査があった際、経理もとても説明ができません。

②「取引先との会食」とされる休日ランチ
日曜日の領収書で、しかも同席者は同じ部署のメンバーだけ。完全に社内飲み会です。こんなものが経理承認されているようでは、税務調査で目を付けられて当然です。

③「得意先懇親会」だけど金額が異常
一晩で数十万円の会食費。取引先の役職者が一人しかいないのに、この金額は不自然です。

グレー領収書を見抜くチェックポイント

日付と曜日の確認
 土日や祝日、深夜の会食は特に注意。私的利用の可能性があります。

相手先の明記
 「〇〇株式会社 △△部長」など具体的に記載があるか。あいまいな「〇〇様ご一行」は危険です。

金額の妥当性
 人数や内容に対して金額が極端に高くないか。高額なら詳細説明を依頼します。

用途の明確化
 「会議費」「懇親会」など、税務上の判断基準に沿った用途であるかを確認。

発行店舗の業態
 クラブ、キャバクラ、風俗店などは原則NG。業態をインターネットで調べるクセをつけましょう。

税務調査で否認されるとどうなる?

もしグレー領収書を交際費として計上し、それが税務調査で否認されれば、 法人税の追徴課税+加算税+延滞税のトリプルパンチが待っています。 さらに会社の信用低下、経理部門への不信感にもつながりかねません。

経理としての防御策

証憑は必ず「日付・金額・用途・相手先」をそろえる

曖昧な領収書は承認者に再確認する

社内規程で交際費の取り扱いを明確にする

グレー判定の事例集を経理部内で共有する

まとめ:経理の“毅然としたNO”が会社を守る

経理は「お金を払う人」ではなく「会社の資産と信用を守る人」です。 グレー領収書に対しては、遠慮せず質問し、必要であれば差し戻す勇気が必要です。 交際費の正しい判断は、税務リスクを避けるだけでなく、会社全体のコンプライアンス意識を高める第一歩です。