30代前半の経理職（非管理職）です。
会計学科卒業後、新卒入社からずっと経理部所属です。
経理は難しい仕事の割に注目されない裏方仕事ですがそれなりにやりがいを感じてはいます。
このまま経理として勤め上げるのも悪くないのですが、将来を考えてこのままで良いのか悩んでいます。
（数年のうちに結婚も視野に入れています）私の会社では経理部（財務会計）、経営企画部（管理会計）と会計部門が分かれています。
管理会計に異動願、あるいは管理会計に転職することで経理のキャリアを活かしつつキャリアアップするのもアリでしょうか。
年収・将来性・出世など総合的に見て、財務会計と管理会計はどちらが良いのでしょうか。（30代男性 サービス業経理職）
30代前半は誰しもキャリアの悩みを抱える大切な時期。
新卒から経理一筋という立派なキャリアを持つ質問者さんだが、新たなキャリアプランとして管理会計（経営企画）もある。
管理会計、財務会計の両目の経験のあるキャリアアドバイザーが回答する。
財務会計と管理会計はどちらが高年収？
管理会計のほうが高年収だ。相場としては100万円程度高年収だ。
特に転職した場合は尚更管理会計の年収は高くなりやすい。
どちらも管理部門であり売上には貢献しない部署の為、会社としてはあまり人件費をかけたくないのが本音。
ただし、管理会計は売上計画・コスト削減計画などで利益を創出する人材と見なされる立場である。
場合によっては億単位の利益改善計画を立案することもある管理会計スタッフは、高年収になりやすい。
実際に転職サイトを覗いてみても管理会計のほうが高年収傾向にある。
経営企画＝会社の中枢部門というイメージはどの会社にもある為、財務会計（経理）よりも高年収なのは当たり前なのかもしれない。
年収1,000万円プレーヤーを目指すことだって夢ではない。
財務会計と管理会計はどちらが出世しやすい？
管理会計のほうが出世しやすいのは間違いない。
多くの会社では経営企画（管理会計）出身者は出世候補だ。
経営企画部内で課長、部長と出世する人もいれば、他部門（営業等）の管理職に異動し、いずれは本部長や役員に出世するケースも多い。
これには財務会計と管理会計の大きな違いがある。
たしかに、一定の経理知識は社会人としてどの部門でも役立つ。
ただ、税務やキャッシュフローなどの経理特有の専門知識は経理部内でしか役に立たないことが多いからである。
よって、経理のプロフェッショナル人材は経理部内では出世することはあっても、他部門の管理職としては不安要素になることが多い。
将来的に出世をしたいのであれば、管理会計に転身したほうが早いだろう。
未経験でも他社の管理会計（経営企画）に転職可能？
財務会計で10年以上の経験があれば管理会計への転職も十分可能だ。
財務会計でキャリアを積み、「経営計画側に携わりたい」という志望動機で転職することは非常に全うな理由である。
管理会計のプロフェッショナルから見ても、財務会計10年の経験は羨ましいほどの貴重なキャリアであり、もはや管理会計でも「即戦力」と見なされることも。
とはいえ、いくら財務会計としての専門知識を持っていても管理会計では未経験。
謙虚にゼロから学んでいきたいという姿勢が見られなければ内定は出ないだろう。
総合的に見て財務会計と管理会計はどちらが良い？
個人的には「管理会計」を強くオススメする。
何故なら、将来的な年収・転職・出世においても管理会計経験は有利だからである。
そして何より、管理会計として会社の経営方針を作っていくことは非常にやりがいのある素敵な仕事だ。
１．年収アップしたい人
２．他部門でも良いからとにかく出世したい人
３．決められたルールどおりの仕事より、自ら仕事を創りたい人
４．会社を大きく動かしたい人
もちろん、財務会計としてプロフェッショナルを目指していくことも悪くない。
似ているようで大きく異なる財務会計と管理会計。どちらが良いのか…こればかりは個人による。
一度転職サイトに登録して条件を見てから判断するのも悪くない。
（ライター：Nakanishi Hajime)
