Q:営業職として働く20代女性です。
将来を考えて経理に転職したいと思っています。ちなみに経理は未経験です。
でも、志望動機が思い付きません。本音で言えば、この先結婚しても営業として飛び回るのは難しいと考え、経理に転職したいのですが…こんな志望動機じゃ採用してくれるはずがないと思います。
営業から経理に転職する為の良い志望動機例について教えてください。
経理職の転職における志望動機作成は難しいです。特に、営業などの他職種からの志望動機なら尚更です。
転職面接において志望動機は最初に答えるケースが多く、まさに第一印象を決める大切なもの。
こちらの質問について現役キャリアカウンセラー(元経理職)が回答します。
ちなみに、こちらの質問者の女性は既に経理職へ転職成功して活躍されています。
Contents
経理転職は志望動機で採用が決定する?
正直、回答内容はそこまで重要ではありません。
キャリアカウンセラーの視点でお答えします。
もちろん志望動機の強さによって採用に影響はありますし、強い程仕事を頑張ってくれたり、長く続けてくれるという好印象は企業側から持たれます。しかし、経理の転職は正直どの会社でも大きく変わりがないことから「絶対にこの会社の経理をやりたい」というのは少々胡散臭さも感じます。
企業側も、転職者は多くの企業を受けていることは知っています。営業職では会社の商品について調べ上げて熱意をアピールすることが有効ですが、経理職の転職は少々温度感が違います。
では、志望動機の回答は重要ではない?
第一印象を決める重要要素です。
回答内容はそれ程重要ではないと言った手前、矛盾しているように思えますが志望動機は重要です。何故なら、第一印象で人の印象は決まるからです。
胡散臭い志望動機をダラダラ話すより、端的にハキハキと目を見て話すほうが余程大切です。
経理職はデスクワークですがコミュニケーション能力が必要な職種です。お金に関する重要な情報を分かりやすく手短に伝えるシーンが多いからです。そして、そこには熱意よりも正確な情報伝達が求められます。
内容に深みはなくても、第三者が聞いても納得できるものであれば何でも良いのです。
営業から未経験の経理転職の志望動機作成ポイントは?
ポジティブなキャリアチェンジをアピールすることです。
経理職未経験でも転職面接まで辿り着いている時点で、企業側はあなたの経理職へのポテンシャルのみを期待しています。ポジティブな転職理由でなければ未経験者を採用するメリットはありません。
現役キャリアカウンセラーからアドバイスする営業職から未経験の経理職転職における志望動機に含めるべき内容は以下のとおりです。
・何故経理に転職したいか。
・営業職経験をどのように経理に活かせるか。
・どんな経理職になりたいか。
これらの内容を抑えて自分なりの志望動機を作りましょう。
面接官が知りたいポイントは?
とにかく、今後経理として仕事をやっていける人材かどうかです。
どれだけ営業で素晴らしい功績を残していても内定には大きな影響はないと考えるべきです。むしろ、「営業で結果が出せたのだから経理でも通用する」という無駄な自信が見え隠れすることはマイナス評価でしかありません。
経理未経験で転職するということは、ゼロからスタートするということ。面接官の目はあなたの過去よりも未来にしか向きません。
面接官が知りたいポイントは以下のとおりです。
・経理をどんな仕事とイメージしているか。
・ツライ仕事や勉強を乗り越えられる覚悟はあるか。
・新しい職場や職種に馴染めるか。
・すぐに退職せず、続けられるのか。
職種未経験者の採用で最も大きなリスクは仕事のイメージのミスマッチによる短期退職なのです。
未経験者でも採用する意志のある企業にとってこれまでの仕事のスキルはさほど重要ではありません。
内定が出る志望動機例は?
「謙虚かつ貪欲に」といったところです。
営業職から未経験で経理に内定した志望動機例を2つご紹介します。
「営業職として経理と打合せを重ねるうちに、会社の損益を把握し適切なアドバイスができる経理職に興味を持ちました。未経験なので相当な勉強や努力が必要なことは承知の上でチャレンジしたいと思いました。」
「営業職として他社の決算書を見て取引先候補を選定したことがありました。決算書を読み解く力がなく、簿記の勉強を始めたところ経理の世界に興味が沸きました。まずは経理の基礎をしっかりと学び、将来的には会社の決算書作成に携わりたいです。」
経理の世界は甘くなく、非常に奥深いものです。転職してすぐ大活躍できたり決算や経営判断などの大きな仕事に携われる訳ではありません。雑用でも何でもやるという謙虚な姿勢をアピールすることが必要です。
反対に、NGな志望動機例は?
ネガティブな志望動機です。
前職の営業職が嫌だったことが本音だったとしてもネガティブな志望動機にはならないように工夫しましょう。NGな志望動機例を2つご紹介します。
「営業は残業も多く、上司からのパワハラも酷かったです。経理に転職して自分らしく仕事していきたいと考えました。」
「営業職では結果が出せませんでした。やる気すら出すことが出来ませんでした。簿記の勉強をするうち、経理の仕事であれば自分に向いているので活躍できると思いました。」
営業が嫌だから、向いていないからという理由で経理に転職する人も多いと思いますが、そのあたりの本音は隠しておきましょう。「経理も嫌になったら辞めてしまうのでは?」と思われてしまっても当然です。
ちなみに、経理の決算時の残業やストレスを侮ってはいけません。
志望動機をチェックしてもらうにはどうすれば良い?
転職エージェントに見てもらうのが一番です。
何故なら転職エージェントを通じて転職が決まれば転職エージェントにも手数料が入るWin-Winの関係の為、志望動機について真剣に考えてくれるはずだからです。
また、転職エージェントなら営業職から未経験で経理に転職サポートした実績を持っているはずです。ひとりで悩まずにプロフェッショナルに相談しましょう。
(ライター:Kitagawa Maiko)