国際会計基準IFRSを用いた会計資格(検定)として徐々に知名度を高めていたBATICが、突如Subject2廃止の案内を出しました。
日本国内でもIFRSの導入が進む中、このニュースは衝撃的でした。
同時に、BATIC特有のランク制度もなくなり、コントローラー、アカウンティングマネージャーといった上位資格認定もなくなることとなります。
果たして、BATIC subject2廃止により今後どのような影響が出るのでしょうか。
資格価値の将来性について予測してみます。
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日商簿記1級やCPA(米国公認会計士)の登竜門資格としてのBATICの価値は?
一切なくなるでしょう。
BATICはsubject2こそ、それなりの難易度が認知されているものの、subject1は評価される資格ではありません。
日商簿記1級やCPAの練習として受験する人も、subject1に価値は見い出せません。
新BATICの資格価値は?
社会人のスタンダードスキルとしての価値は高まるでしょう。
ウェブ試験でいつでも受験できることからも、企業が新入社員に受験を促進させるようなイメージでの活用が広がりそうです。
社会人として必要な、英語力と会計基礎力を学べる一石二鳥な資格としてBATICの資格価値が高まるでしょう。
一方で、経理、財務、経営企画などの専門的な会計部門にとっては不要な資格になっていくことが予測されます。
現在、アカウンティングマネージャー資格保有者の価値は?
向こう5年間は維持されるでしょう。
BATICの制度が変わっても、既に持っている資格は維持されます。
履歴書や職務経歴書に記載することもできるので、アカウンティングマネージャーの価値がなくなることはありません。
しかしながら、価値は永遠に続くものではありません。
BATICはあくまでも検定試験。
昔取った資格の価値は薄まります。
特にBATICの資格の性質上、IFRSの知識理解を問われます。
会計基準は時代と共に変わっていくので、10年以上前のIFRSを熟知していたとしてもその価値は評価されません。
この辺りは、TOEICでも昔はのスコアが評価されないのと同じです。
現在、コントローラー資格保有者の価値は?
過去の栄光として名声はあるでしょうが、実際の評価は薄まる一方でしょう。
会計部門では、BATICコントローラーは「日商簿記1級論点が出題される」、「IFRSを理解している」との一定の評価は残ります。
今後BATICの知名度が高まれば、「コントローラー」の凄さも伝わるかもしれませんね。
新BATICハイスコアの世間的な評価は?
社会人としての高い評価を得ることができるでしょう。
BATICはsubject2を覗ければ、日商簿記3級レベルの非常に易しい試験です。英語力もそれ程必要なものではなく、慣れてしまえばスラスラ解くことができます。
会計の英単語のリーディングさえできれば回答できるレベルで、スピーキングもリスニングも不要です。
コスパ(労力に見合う評価)の高い資格と言えるので、新BATICを受験する価値は十分にあるでしょう。
日商簿記やTOEICと合わせて保有しておくのもオススメです。
就職や転職を目指す人は、経理部門は勿論、その他の職種を目指す人にもBATICはオススメです!
(ライター:Nakanishi Hajime)