経理の転職Q&A

大手グループ子会社経理の仕事内容、福利厚生、年収は?

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転職活動中の30代女性です。経理職で探しています。
転職エージェントから沢山の求人を貰っていますが、大企業のグループ会社(子会社)の経理職募集を見かけます。
「三菱●●」、「丸紅●●」など…仕事内容、福利厚生、年収などについて相場を教えてください。

大企業の本社(親会社)でなくとも、大企業名の付いたグループ会社(子会社)も魅力的に見えますよね。
グループ子会社で働く現役経理マンの当サイトライターが実体験に基づいてお答えします。

大手グループ子会社のメリットは?

私は現職の大手グループ子会社経理職の前はグループのない中小企業で働いていました。
まずは、私が実際に働いてみて感じる大手グループ子会社のメリットをまとめます。
※ちなみに大手グループ子会社でも親会社名の付いている会社とそうでない会社があります。私の場合は前者なので、親会社名の付いた子会社経理職として当記事を書きます。

・社会的知名度がある
・信頼がある
・福利厚生が良い
・平均以上の年収相場は貰える
・賞与もきちんと支給される
・コンプライアンス意識が高い
・倒産するリスクが少ない
・グループ内交流がある

やはり知名度が高いです。
知名度があるだけで、「立派な会社に務めている」というイメージがあります。
三菱地所だろうが三菱商事だろうが、世間から見たら同じ「三菱」です。仕事内容も業界も違ったとしても同じなのです。
社会的な信頼もあるので、与信にも強く不動産購入時にも有利です。
親戚や友人にも大手グループで働いているだけで「しっかりした人」という印象を持たれます。

高年収?大手グループ子会社経理の年収相場は?

世間一般から見ても高年収を貰えます。経理スタッフ(非管理職)の年収相場は450万円から600万円程度です。

親会社と同等もしくは少し下回るケースが多いです。総じて世間一般の平均年収は上回ることが多いです。また、ボーナスもきちんと支給されます。
もちろん、経理職の年収相場も同様です。
転職で大手グループ子会社や孫会社に入社する場合は初年度年収は勿論、入社後の昇給や年代別の平均年収も調べておくと良いでしょう。

実際、中小企業から転職して年収アップした?

50万円の年収アップに成功しました。

経理職の転職の場合にはスキルや経験に加えて前職年収をベースに年収提示されることが多いかと思います。
中小企業と比較すると大手グループ子会社のほうが平均年収が多い為、アップしました。
転職前にはなかった住宅手当(月3万円)や福利厚生(グループ会社サービス利用)などもあり、実際には年収50万円アップ以上の好待遇となりました。

私の場合は転職エージェントを通じて転職活動をしましたが、大手グループ子会社はイチオシとのこと。
かなりの勢いでオススメされました。

とにかく手厚い?大手グループ子会社の福利厚生は?

かなり手厚い福利厚生があるグループが多いです。

福利厚生については親会社と同等のことが多く、グループ会社商品(サービス)も割引購入が出来ます。
また住宅手当や出産手当など大手ほど家庭持ちに優しい福利厚生が多く、グループ子会社も同様です。

大手グループ子会社のデメリットは?

良いところばかりではありません。やはり悪いところもあるのでご注意ください。
大手グループ子会社で働くデメリットは以下のとおりです。

・社長にはなれない
・経理部長にもなりにくい
・資金源は親会社やグループ頼り
・グループ他社の悪評ニュースも被害を被る
・社内調整(グループ内調整)が面倒
・親会社の方針に左右される
・出向が頻繁にある

重役は親会社社員出向(もしくは兼務)で就任することが多く、プロパーの子会社社員は昇進しにくいのが特徴のひとつです。
急に社長や役員が変更となり、経営方針もガラッと変わり現場がパニックになることもあります。
子会社単体で意思決定できることは多くなく、親会社やグループ会社との調整に時間がかかります。

大手の宿命でもありますが、社員1人の裁量権は非常に弱く、大きな歯車の一部として動かなくてはなりません。

大手グループ子会社の経理職の仕事内容は?

連結決算を含めた経理業務となります。

グループ子会社であっても、会社単体での決算をすることは他の企業と同じです。
決算確定後、連結決算をしなくてはなりません。子会社側の経理担当として親会社と調整して仕事を進めます。

子会社決算確定→連結決算→グループ決算確定の流れになるので、決算の締切は早くなります。
仮にひとつの子会社の決算締めが遅れればグループ会社全体に遅れが生じる為、締切厳守はかなりシビアです。
これにより、四半期毎の決算期はかなりの残業や休日出勤を強いられます。

残業や休日出勤はある?サービス残業は?

はい。残業も休日出勤もそれなりにあります。ただし、サービス残業は一切ありません。

経理職という仕事柄、決算などの繁忙期は残業も発生します。
連結決算の為に親会社へ資料提出しなくてはならない為、決算期の残業や休日出勤は多いです。
中小企業時代に比べても残業は増えました。
残業時間は閑散期で月に20時間程度。決算期で40時間程度です。

それでもサービス残業が発生しないのは、大手グループ会社ということでコンプライアンス管理徹底されているからです。
子会社1社がサービス残業トラブルを起こせばグループ全体が大損害を被るので当然です。
休日出勤した分は代休取得が推進されています。また、大型連休も取得できるよう配慮されています。

転職に有利な経理スキルや資格は?

連結決算経験や英語力があると有利です。

大手企業の本社(親会社)と比較して転職難易度が低いことからも狙い目な大手グループ子会社。
とはいえ、それなりの人気はあるので誰でもカンタンに転職できる訳ではありません。

実務経験的には連結決算経験があると即戦力として有利になるでしょう。
また、大手グループはグローバル化が進んでおり経理職でも英語力が求められます。ビジネスで英語を使った経験やTOEICスコアも評価対象となります。

その為に資格に関しては他の経理職転職同様に、日商簿記2級は持っておくと良いでしょう。

大手グループ子会社の経理職は成長できる?

連結決算に関する知識は身に付きます。

その他については役割分担がしっかりわかれている傾向があります。
中小企業経理のほうが会社全体への裁量権が強く成長できます。

将来的にさらなるキャリアアップで転職を視野に入れたり、独立開業を目指すなら中小企業経理も視野に入れると良いでしょう。
(ライター:Takahashi Shuta)