経営企画コラム

経営企画や管理会計にオススメ!FP&A検定のメリットは?

経営企画や管理会計にオススメ!FP&A検定のメリットは?

2021年より日本CFO協会主催の管理会計計資格、FP&A検定(経営企画スキル検定)がスタートしました。
CFO協会の検定資格では、財務経理実務者向けのFASSや経理事務向けのPASSなどがあります。FASSはそこそこの知名度があるものの、簿記検定等と比較するとマイナー資格です。

FP&A検定はFASSとは異なり管理会計を学べる資格です。
企業で言えば、FASSは財務・経理の職種向け。FP&A検定は経営企画・経営管理などの職種を対象としています。
経営企画系の資格と言えば、中小企業診断士や経営士などがありますが、どちらも会計以外を含めた広く経営を学ぶ資格です。一方、FP&Aは管理会計に特化しているという点が大きな違いです。

まだまだ情報が少ないFP&A検定のメリットをまとめます。管理会計知識を活かして転職、昇進、起業などを考えている人は参考にしてください。

【前提】FP&A検定を取得しないとできない仕事は無い。

残念ながら、FP&Aは免許ではありません。

管理会計の仕事をするのに何かの資格は必要ありませんし、今後も必要とされることはないでしょう。
多くの管理会計担当者は、簿記などの基礎的な財務会計知識をベースに、実務経験を積んで業務をしています。
つまり、管理会計を体系的に学習したり世間一般的な管理会計のことを知らないまま実務をしているケースが非常に多いのです。

転職にFP&Aは有利になる?

経営企画、経営管理の転職には有利になるでしょう。

ただし、転職で有利になる条件としては実務経験(管理会計経験)や基礎的な会計資格(簿記検定など)がある上で、FP&A検定も取得していれば有利になる可能性があります。
もちろん、あくまでも付加価値となるだけであってFP&A検定があるだけで採用する企業は皆無でしょう。

一方、経理や財務の転職でも有利になる可能性はあります。
決算書を作るだけの経理マンは半人前です。財務会計のみならず、管理会計の知識も身に付けて会社の財務上の課題を見出して低減できる人材として、FP&A検定は役立つでしょう。

経営者や起業家にもFP&A検定は役立つ?

会計の考え方や組織戦略を学べるので役立ちます。

FP&A検定では様々な企業の事例を用いて経営を学ぶことができます。
会社役員など経営者はもちろん、起業家にとっても必要な知識を学べます。
経営には財務の知識は必須です。たとえ社内に優秀な経理担当者がいたとしても、経営者としてはFP&A知識がないと正しい経営判断はできません。

FP&Aは経営企画・経営管理の実務に役立つ?

実務に応用できる考え方や知識は確実に身につきます。

むしろ実務に役立てる為の検定と言って良いでしょう。
MBAや中小企業診断士よりもコストや時間面でもライトに受験することもできますし、ベースの知識は十分に学べます。
経営企画や経営管理といった部署は社内から出ることは少なく、社外から知識をインプットする機会は意外と少ないです。
その為、長くいると社内に染まってしまいやすく経営コントロールが正しくできなくなることがあります。
FP&A検定は新たな刺激を受ける良い機会になるかと思います。

FP&A検定は世間的な評価を得られる?

評価についてはまだまだわかりません。

これから管理会計の重要性は益々高まるでしょうし、FP&A検定の重要性も高まり評価が付いてくる可能性もあります。
しかし、簿記や中小企業診断士のようなメジャー資格ほどの評価は得られない見通しです。
世間体や評価を優先する人にとっては、FP&A検定はオススメできません。

経営企画に異動したい人はFP&A検定はメリットある?

当然、異動アピール材料になるでしょう。

マイナー資格ということは希少価値があるということです。社内で他にFP&A検定を持っている人がいなければ唯一無二の人材となります。
しかし、FP&A検定でハイスコアを取っているだけで経営企画(経営管理)に異動できるわけではありません。
とはいえ、向上心の高さや管理会計知識のアピールになることは間違いありません。

経営企画に異動したいのであれば、先に日商簿記検定2級資格取得がオススメです。
簿記2級だけでは有資格者は社内にも沢山いるでしょうから、付加価値としてFP&A検定のハイスコアがあれば大きな個性となります。

FP&A検定を取れば昇進できる?

間接的には管理職昇進に近づけるはずです。

こちらも残念ながらFP&A検定ハイスコアを取ったという事実だけで管理職に昇進できるとは考えにくいです。
しかし、管理職昇進に必要な知識やマネジメントスキルが身につきます。
管理職になれば数字の管理をする必要があります。FP&A検定はすべての会社の管理職に必要な検定なのです。

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FP&A検定の受験料や受講料は?コスパは?

総額44,000円(税込)が目安です。資格試験にしては、安い方でしょう。

受験料がオンライン講座全6章で33,000円(税込)、受験料が11,000円(税込)です。
情報量の少なさを考えると独学でハイスコアを取るのは厳しいでしょうから、FP&A検定は実質的にはこちらのコストはかかるものと考えて良いでしょう。

【さいごに】どんな人がFP&A検定を受験するメリットがある?

以下に当てはまる人はFP&A検定を受験するメリットがあります。

・現在、経営企画や経営管理の仕事をしている人
・経営企画、経営管理に転職や異動したい人
・既に日商簿記2級を持っている人
・管理職に昇進したい人
・会社役員や社長など経営ポジションにいる人
・起業に興味のある人
・向上心の高い経理マン
・MBAや中小企業診断士を受験する程の時間やお金がない人
・空き時間に仕事に役立つ知識を勉強したい人

まだまだ未確定要素の高い資格ではありますが、FP&A検定は非常に面白い資格です。
会社の仕事だけでは得られない発見が必ずあります!
ちょっとだけ頑張って時間やお金を使って、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(ライター:Kimura Ryota)